葬儀の費用と形式

一日葬の流れと注意点 1日の時間割、菩提寺への相談、知らせ方と費用

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 一日葬は通夜をせず、告別式と火葬を1日で行う葬儀。安置は前日までに必要です。
  • 菩提寺があれば、決める前に相談を。通夜に来る人が多い地域では知らせ方を工夫します。
  • 2026年の調査で総額74.43万円。告別式だけの式場料金を設ける公営斎場もあります。
目次
  1. 一日葬とは
  2. 一日葬が向いている人・向いていない人
  3. 亡くなってから当日までの進め方
  4. 当日の時間割(例)
  5. 菩提寺に事前に相談すること
  6. 参列者への知らせ方
  7. 一日葬の費用
  8. 地域や宗教で違うこと

一日葬(いちにちそう)は、通夜をせず、告別式と火葬を1日で行う葬儀です。式は1日ですが、亡くなってから24時間は火葬できないため、前日までの安置は必要です。進め方は、①安置と打ち合わせ、②菩提寺への相談、③参列してほしい人への連絡、④当日の告別式・火葬・収骨、の順です。鎌倉新書の2026年の調査では、一日葬は葬儀の11.9%で、総額は74.43万円でした。

この記事は、一日葬を選んだ場合の具体的な進め方に絞ってまとめました。家族葬や直葬との比べ方は家族葬・一般葬・一日葬・直葬の違いをご覧ください。

一日葬とは

デジタル大辞泉は、一日葬を「通夜はせず、火葬と告別式を1日で行う葬式」と説明しています。鎌倉新書の「お葬式に関する全国調査」も、通夜がなく告別式だけを1日で行う葬儀を一日葬として集計しています。

法律で決まった定義はありません。国民生活センターは、「一日葬」や「家族葬」は葬儀社によって扱う範囲が違うことがあると注意を呼びかけています。言葉の印象ではなく、何日間、何人で、何が含まれるのかを具体的に確かめるよう勧めています。

項目 一日葬で行うこと 行わないこと
安置 火葬の日まで行う ―
通夜 ― 行わない
告別式 行う(読経を頼むこともできる) ―
火葬・収骨 告別式の日に行う ―

一日葬が向いている人・向いていない人

向いている人 - 遺族が高齢で、2日続けての儀式が体力的に大変 - 遠方から来る親族の宿泊を減らしたい - 参列はごく身内だけで、それでも告別式の形でお別れをしたい

向いていないかもしれない人 - 仕事帰りなどに通夜に来たい人が多い - 菩提寺が、通夜をしないことに慎重な考えを持っている - 故人と夜をゆっくり過ごす時間をとりたい

亡くなってから当日までの進め方

  1. 搬送と安置(亡くなった当日):病院や施設から、自宅か安置施設へ移します。墓地、埋葬等に関する法律第3条により、亡くなってから24時間たつまで火葬はできません。
  2. 葬儀社との打ち合わせ(当日〜翌日):一日葬にしたいと伝え、火葬場と式場の空きを確かめます。見積書は必ず受け取り、明細を見ます。
  3. 菩提寺への相談(日程を決める前):お付き合いのあるお寺があれば、通夜をしないことを含めて相談します。くわしくは次の章で説明します。
  4. 死亡届と火葬の許可:死亡届は、亡くなったことを知った日から7日以内に出します。葬儀社が代わりに出すことも多くあります。手順は死亡届の出し方と期限をご覧ください。
  5. 参列してほしい人への連絡(日程が決まったら):告別式の日時と場所、香典の扱いを伝えます。
  6. 納棺(前日か当日の朝):家族が立ち会えるよう、時間を葬儀社と決めます。流れは納棺と湯灌の流れにあります。
  7. 当日:告別式、出棺、火葬、収骨。初七日の法要を続けて行うこともあります。

火葬までの日数は、火葬場の空きで変わります。鎌倉新書の2024年の調査では、全国では亡くなって2日後の火葬が最も多い一方、関東では過半数が4日以上かかっていました。待つ日数分の安置料とドライアイス代がかかります。目安はご遺体の安置場所と日数とドライアイスの量と費用で確かめられます。

注意

通夜をしない分、前の晩の過ごし方は家族で決められます。安置施設によっては、夜は面会できなかったり、付き添いができなかったりします。夜も故人のそばにいたい場合は、安置する場所を決めるときに葬儀社へ伝えます。

当日の時間割(例)

告別式を午前中に始める場合の例です。時刻は、火葬場の予約時刻と式場の決まりで変わります。

時刻の目安 内容 家族がすること
8:30ごろ 集合、納棺(当日に行う場合) 喪主は受付や席順を確認
9:30ごろ 受付開始 香典を受けるなら受付係を決めておく
10:00ごろ 告別式(読経・焼香) 喪主、遺族、親族、参列者の順に焼香
10:50ごろ お別れ(棺に花を入れる) 最後の対面
11:00ごろ 出棺 喪主があいさつする
11:30ごろ 火葬場に着き、火葬 控室で待つ
13:00ごろ 収骨 二人一組でお骨を骨つぼに納める
13:30ごろ 初七日法要(繰り上げる場合)、会食 喪主があいさつする

火葬と骨揚げ(収骨)にかかる時間は、全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は普通1時間弱、日本大百科全書は1時間から3時間程度としています。火葬場の設備や混み具合で変わります。全互協は、会食(精進落とし)は遺骨を迎えたあと続けて行うことが多いとしています。

公営の式場には、告別式に使える時間を決めているところがあります。川越市斎場は午前9時から最長で午後3時まで、新潟市の青山斎場と熊本市斎場は午前9時から午後3時までです。午後遅くに告別式をしたい場合は、式場の決まりを先に確かめます。

菩提寺に事前に相談すること

先祖のお墓があるお寺(菩提寺)があれば、形式を決める前に連絡します。全互協は、葬儀の日程が決まりしだい菩提寺に早めに連絡するよう勧めています。菩提寺が遠いときは同じ宗派の近くのお寺を紹介してもらい、戒名は菩提寺からいただくほうがよいとしています。別のお寺でつけてもらうと、納骨のときに断られることがあるためです。

通夜も、宗派によっては大切なお勤めの一つです。浄土真宗本願寺派は、通夜を、近しい人が夜を通して亡き人をしのび、仏さまの教えを味わう法事だと説明しています。通夜をしないことをどう受け止めるかはお寺によって違うので、次のことを具体的にたずねます。

  1. 通夜をせず、告別式だけで読経をお願いできるか
  2. 前の晩に、枕経(まくらぎょう=安置のときの読経)だけでもお願いしたほうがよいか
  3. 戒名(法名)を授けてもらう時期
  4. お布施の考え方と、御車代・御膳料が必要か
  5. 四十九日や納骨の法要の予定

鎌倉新書の2026年の調査では、葬儀で困ったことの1位が「お布施の相場・マナーがわからない」でした。金額は、お願いするときに率直にたずねてかまいません。考え方はお布施の相場と渡し方、戒名については戒名とはをご覧ください。

参列者への知らせ方

一日葬では、お別れの機会が日中の告別式だけになります。仕事の都合で日中に来られない人は、お別れに来られません。

通夜に来る人が多い地域は、特に知らせ方を考える

全互協の「第6回香典に関するアンケート調査」(2021年度)は、参列者が通夜と告別式のどちらに出たかを地域ごとに集計しています。件数から編集部が割合を計算しました。

地域ブロック(回答数) 通夜だけに出た人 告別式に出た人
北海道(259件) 60.6% 39.4%
東北(582件) 34.2% 65.8%
北関東(837件) 55.7% 44.3%
東京(214件) 62.6% 37.4%
南関東(459件) 75.8% 24.2%
中部(873件) 86.5% 13.5%
近畿(837件) 57.1% 42.9%
中国(162件) 41.4% 58.6%
四国(277件) 53.8% 46.2%
九州(677件) 54.1% 45.9%
全体(5,177件) 60.2% 39.8%

(「告別式に出た人」は告別式だけと両方の合計。区分は調査のもので、北関東に埼玉・千葉・新潟・長野、東京に山梨、南関東に静岡、中部に富山・石川・三重、近畿に福井、九州に沖縄が入ります。対象は互助会が受けた葬儀の参列者です)

中部では、ふだん告別式に出る人は13.5%で、86.5%が通夜だけに出ていました。こうした地域で一日葬にすると、いつもなら通夜に来る人の多くが、お別れの機会を持てなくなります。東北のように告別式に出る人が多い地域では、影響は比較的小さいと考えられます。

知らせるときに伝えること

  1. 通夜はなく、告別式だけで行うこと:「通夜はいつですか」と問い合わせが来るのを防げます。
  2. 告別式の日時と場所:参列してほしい人に伝えます。家族だけで行うなら、日時と場所は書かずに「近親者のみで執り行います」とします。
  3. 香典・供花の扱い:受けるか辞退するかを書きます。
  4. 来られない人への案内:後日に自宅で弔問を受けるかどうかを書いておくと、相手が迷いません。

知らせ方の文例は家族葬とはにまとめています。呼ぶ範囲が身内だけの場合も、同じ文例が使えます。

一日葬の費用

鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」では、一日葬の総額は74.43万円でした。前回より1.99万円増えています。同じ調査で、家族葬は96.39万円、直葬・火葬式は49.56万円です。同社は今回、過去の調査も含めて中央値(金額を並べた真ん中の値)で集計し直しています。

2024年の第6回の発表時の数字では、一日葬の平均は87.5万円でした。一方で、最も回答が多かった価格帯は「20万円以上40万円未満」です。平均と最も多い価格帯が大きく離れていて、内容によって金額の幅が大きい形式だとわかります。

公営斎場の式場料金:通夜から告別式までと、告別式だけ

公営の斎場には、告別式だけで式場を使う場合の料金を別に決めている市があります。各市の公式の料金表から、市民の料金を抜き出しました。

斎場(地方) 通夜から告別式まで 告別式だけ
宇都宮市 悠久の丘(北関東)50席室 通夜式29,950円+葬儀式23,300円 23,300円(3時間30分以内)
川越市斎場(関東)小式場 40,000円 20,000円
新潟市 青山斎場(北陸) 33,000円 16,500円(9時〜15時)
岐阜市斎苑(中部) 20,000円 10,000円(祭壇なし)
大阪市立瓜破斎場(近畿) 夜間24,000円+昼間12,000円 12,000円(9時〜17時)
高松市やすらぎ苑(四国) 通夜41,900円+告別式31,420円 31,420円(最初の1時間30分)
熊本市斎場(九州) 10,000円 5,000円(9時〜15時)

(各市の公式の料金表・条例から作成。2026年10月8日確認。住民以外は高くなります。宇都宮市は宇都宮市・壬生町の住民の料金)

表の7市では、告別式だけの料金は、通夜から告別式までの料金の半分以下でした。ただし、これは式場の分だけで、総額のごく一部です。祭壇、棺、搬送、火葬料などは別にかかります。

  • 新潟市の青山斎場は、設備の不備のため当面は夜間の式場利用を止めていて、告別式の時間帯だけ使えます(修繕は令和10年度の予定)。
  • 宇都宮市の悠久の丘には、式場を使うまでの間ご遺体を預かる霊安室があります(24時間以内4,910円)。
  • 公営の斎場の中には、式場を持たず火葬だけを行うところもあります。その場合は、民間の葬儀会館などを使います。

公営斎場の料金は斎場・火葬場の一覧で調べられます。

見積もりで確かめること

国民生活センターには、チラシで「通夜を行わない告別式のみの一日葬は約30万円」と見て頼んだ人の相談が寄せられています。実際には約80万円の契約になったそうです。請求書には、チラシで料金に含まれるとされていた仏具や仏衣の費用まで入っていたといいます。

  1. 式場は何日分か:前日から式場に安置する場合、2日分の料金にならないか。
  2. 安置とドライアイスの日数:プランに何日分含まれ、延びたら1日いくらか。
  3. 宗教者を呼ぶ場合:プランが変わるか。お布施は別に用意します。
  4. 人数で変わる項目:告別式のあとの会食と返礼品の数。
  5. チラシや広告との違い:含まれると書かれていた物が、見積書でも含まれているか。

困ったときは、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターを案内してもらえます。費用全体の考え方は葬儀費用の相場と内訳、使える給付は葬祭費・埋葬料の申請をご覧ください。

地域や宗教で違うこと

  • 先に火葬をする地域:東北の青森県・岩手県・秋田県や九州の熊本県などには、火葬をしてからお骨で葬儀・告別式をする地域があります。この場合、一日葬の当日の順番は「火葬→告別式」になることがあります。故人の顔を見てお別れできるのは火葬の前までなので、時刻を葬儀社と確かめます。くわしくは地域で違う葬儀のしきたりをご覧ください。
  • 友引と火葬場の休み:友引を休みにしている火葬場があります。一日葬は告別式と火葬が同じ日なので、火葬場が休みの日には行えません。くわしくは友引に葬式はできる?をご覧ください。
  • 神式・キリスト教式:神式なら葬場祭、キリスト教式なら教会での葬儀を1日で行う形になります。通夜祭や前夜式を省くかどうかは、神職や教会に相談します。流れはキリスト教・神式の葬儀の流れにあります。

通夜も告別式もせずに火葬場でお別れをする形は直葬(火葬式)の流れ、通夜の意味や過ごし方はお通夜とはで説明しています。

よくある質問

一日葬は何時から何時までかかりますか?

告別式を午前中に始めると、出棺、火葬、収骨まで終えて昼過ぎから夕方になるのが一つの例です。火葬には、火葬場によって1時間弱から数時間かかります。公営の式場では、告別式の利用時間を午前9時から午後3時までなどと決めているところがあります。

一日葬でも前日から安置は必要ですか?

必要です。法律で、亡くなってから24時間たつまで火葬はできません。式をしない夜の間も、自宅や安置施設、斎場の霊安室などで休ませます。安置の日数分の料金とドライアイス代がかかります。

一日葬にお坊さんを呼べますか?

呼べます。告別式で読経をしてもらうのが一般的な形です。菩提寺がある場合は、通夜をしないことを含めて、形式を決める前に相談します。戒名(法名)をどうするかも、このときに確かめます。

一日葬の費用はいくらですか?

鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」では、一日葬の総額は74.43万円(中央値で集計)でした。家族葬の96.39万円より低い一方、祭壇や式場、火葬の費用はかかります。2024年の調査では、最も回答が多い価格帯は20万円以上40万円未満でした。

一日葬に参列できない人にはどうしてもらえばいいですか?

弔電や供花で気持ちを伝えてもらう方法や、葬儀のあとに日を決めて自宅に弔問してもらう方法があります。通夜がないと、仕事の都合で日中に来られない人はお別れの機会がなくなります。お知らせに、後日の弔問を受けるかどうかも書いておきます。

出典・参考にした資料

  1. 一日葬(デジタル大辞泉)コトバンク(小学館)(2026-10-08 確認)
  2. 第7回お葬式に関する全国調査(2026年)株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-08 確認)
  3. 第6回お葬式に関する全国調査(2024年)株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-08 確認)
  4. 依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-「家族葬だから安い」と思っていませんか?-(報告書本文)国民生活センター(2026-10-08 確認)
  5. 第6回 香典に関するアンケート調査(令和3年度)集計結果一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  6. お葬式のマナー:菩提寺(檀那寺)に早めに連絡一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  7. お葬式のマナー:葬儀・告別式の手順は?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  8. よくあるご質問(お通夜の意義)浄土真宗本願寺派(2026-10-08 確認)
  9. 葬儀(日本大百科全書)コトバンク(小学館)(2026-10-08 確認)
  10. 墓地、埋葬等に関する法律(第3条)e-Gov法令検索(2026-10-08 確認)
  11. 悠久の丘 利用案内(令和8年4月1日)宇都宮市(2026-10-08 確認)
  12. 川越市斎場及び川越市民聖苑やすらぎのさと条例川越市(2026-10-08 確認)
  13. 川越市斎場、市民聖苑やすらぎのさと 詳細(利用時間)川越市(2026-10-08 確認)
  14. 青山斎場について新潟市(2026-10-08 確認)
  15. 岐阜市斎苑使用料一覧表岐阜市(2026-10-08 確認)
  16. 岐阜市斎苑岐阜市(2026-10-08 確認)
  17. 市立斎場・葬祭場のご案内(式場の利用料金)大阪市(2026-10-08 確認)
  18. 高松市やすらぎ苑高松市(2026-10-08 確認)
  19. 熊本市斎場熊本市(2026-10-08 確認)

制度や料金は変わることがあります。編集方針/誤りに気づいたらお知らせください。

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