葬儀の費用と形式

葬儀費用の相場と内訳 2026年の全国調査でみる総額と家族葬・直葬の費用

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 2026年の鎌倉新書の調査で、葬儀費用の総額は96.73万円(中央値での再集計)でした。
  • 形式別は一般葬122.01万円、家族葬96.39万円、直葬・火葬式49.56万円などです。
  • お布施は別。火葬料は地域で大きく違い、首都圏は安置の日数分も増えやすくなります。
目次
  1. 葬儀費用の総額と内訳(2026年調査)
  2. 形式別の費用
  3. 総額に含まれない費用
  4. 地域による違い
  5. 費用を抑える方法
  6. 料金トラブルを避けるために
  7. 費用が払えないとき

葬儀費用の総額は、鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」で96.73万円でした。内訳は、祭壇や式場などの基本料金が72.02万円、飲食費が11.67万円、返礼品費が13.03万円です。形式別では、一般葬122.01万円、家族葬96.39万円、一日葬74.43万円、直葬・火葬式49.56万円でした。この金額にお布施は含まれていません。また火葬料や安置の日数で、地域による差が出ます。

葬儀費用の総額と内訳(2026年調査)

鎌倉新書は2年に1度、喪主を経験した全国の40歳以上を対象に調査しています。第7回は2026年2月27日から3月3日に、インターネットで2,000人に聞きました。発表は2026年5月12日です。

項目 金額 主な中身
基本料金 72.02万円 斎場・火葬場の利用料、祭壇、棺、遺影、搬送など
飲食費 11.67万円 通夜振る舞い、葬儀後の会食など
返礼品費 13.03万円 香典へのお返しの品など
総額 96.73万円 上の三つの合計

基本料金は、人数にあまり左右されない費用です。飲食費と返礼品費は、参列する人の数に比例して増えます。

補足

同社は第7回の発表で、過去の調査も含めて「中央値」で集計し直したと注記しています。中央値は、金額を低い順に並べたときに真ん中にくる値です。一部の高額な葬儀に引っぱられにくい特徴があります。2024年の第6回の発表時は平均で118.5万円でしたが、今回の発表では前回の総額を94.21万円と示しています。

形式別の費用

同じ調査で、形式ごとの総額と、その形式を選んだ人の割合は次のとおりでした。

形式 総額(2026年調査) 選んだ人の割合
一般葬 122.01万円 30.2%
家族葬 96.39万円 47.0%
一日葬 74.43万円 11.9%
直葬・火葬式 49.56万円 10.8%

家族葬が半数近くを占めます。前回(2024年)と比べると、家族葬は50.0%から47.0%に減り、一日葬と直葬・火葬式が少し増えました。

参考に、2024年の第6回の発表時の平均値も並べます。集計方法が違うため、2026年の数字と単純には比べられません。

形式 2024年調査(発表時の平均) 2026年調査(中央値で再集計)
一般葬 161.3万円 122.01万円
家族葬 105.7万円 96.39万円
一日葬 87.5万円 74.43万円
直葬・火葬式 42.8万円 49.56万円

それぞれの形式の違いや向いている人は、家族葬・一般葬・一日葬・直葬の違いで説明しています。

総額に含まれない費用

調査の総額は、基本料金・飲食費・返礼品費の合計です。次のものは別にかかります。

  • お布施:読経や戒名へのお礼として、宗教者に渡すお金です。宗派、地域、お寺との関係で大きく違います。
  • 追加の安置やドライアイス:プランに含まれる日数を超えた分です。
  • 心づけや交通費:宗教者のお車代や、遠方の親族の交通費などです。

鎌倉新書の2026年の調査では、葬儀で困ったことの1位は、お布施の相場やマナーがわからないことでした(346件)。お布施の額は、菩提寺に「皆さまどのくらいお包みしていますか」とたずねてかまいません。

地域による違い

全国の数字は、地域の事情をならした目安です。費用の差は、主に「参列する人数」「火葬料」「火葬までの日数」から生まれます。

地方別の葬儀費用(2024年の調査)

鎌倉新書は「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」で、都道府県ごとの平均を公表しています。1県あたりの回答は30〜113件と少ないため、編集部が地方ごとにまとめ直しました。各都道府県の平均に回答数をかけて合計し、地方の回答数で割っています(47都道府県で計算すると、公表された全国の値と一致します)。

地方(回答数) 葬儀費用の総額 受け取った香典 参列人数
北海道(74件) 102.4万円 48.0万円 36.0人
東北(252件) 117.6万円 51.4万円 41.4人
関東(315件) 126.2万円 45.0万円 32.8人
北陸(173件) 142.3万円 70.6万円 46.6人
中部(207件) 130.3万円 60.7万円 46.5人
近畿(271件) 109.3万円 24.6万円 26.1人
中国(277件) 100.1万円 36.4万円 29.6人
四国(131件) 116.8万円 43.4万円 29.9人
九州(261件) 118.3万円 53.9万円 53.8人
沖縄(39件) 124.0万円 65.3万円 89.0人
全国(2,000件) 118.5万円 47.3万円 38.9人

(「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」(鎌倉新書「いい葬儀」)の都道府県別の平均を加工して作成。北陸は新潟・富山・石川・福井、中部は山梨・長野・岐阜・静岡・愛知、近畿は三重を含む7府県、九州は沖縄を除く7県です)

表から読み取れることです。

  • 総額は北陸が最も高く、中国が最も低くなりました。差は40万円ほどです。
  • 参列人数は地域で大きく違います。沖縄は平均89.0人、九州は53.8人で、近畿は26.1人でした。人数が多いほど、飲食費と返礼品費が増えます。
  • 受け取った香典も違います。北陸は70.6万円、近畿は24.6万円でした。総額から受け取った香典を引くと、近畿は約85万円、関東は約81万円で、北海道は約54万円です(平均どうしの差を編集部が計算)。
  • 同じ地方でも県で差があります。関東では埼玉県104.4万円、栃木県179.5万円でした。1県の回答が少ないので、県別の数字は上下にぶれやすい点に注意してください。

総額とは別にかかるお布施の平均は、東北・中部・関東で26万〜29万円ほど、北海道・北陸・近畿・中国・四国・九州で19万〜21万円ほど、沖縄で10.4万円でした(同じ調査を地方別に計算)。

補足

この表は2024年の調査の「平均」です。2026年の第7回は中央値で集計し直していて、記事冒頭の96.73万円とは比べられません。第7回の公開資料には、地域別の数字は載っていません。

火葬料は市町村と公営・民営で違う

火葬料は、火葬場が公営か民営か、亡くなった人がその市町村の住民かどうかで大きく変わります。各地の公営火葬場の公式の料金表から、大人の火葬料を抜き出しました(2026年10月に確認)。

地方 火葬場(市) 住民 住民以外
北海道 札幌市(里塚・山口斎場) 16,000円 54,000円
東北 仙台市(葛岡斎場) 9,000円 27,200円
北陸 新潟市(青山斎場など) 無料 28,000円
関東 横浜市(市営斎場) 12,000円 50,000円
中部 名古屋市(第二斎場) 5,000円 70,000円
近畿 京都市(中央斎場) 20,000円 100,000円
近畿 大阪市(市立斎場) 10,000円 60,000円
中国 広島市(市営火葬場) 8,200円 59,000円
四国 高松市(斎場公園など) 20,000円 70,000円
九州 福岡市(葬祭場 刻の森) 20,000円 70,000円
九州 熊本市(市斎場など) 6,000円 36,000円
沖縄 いなんせ斎苑(那覇市・浦添市) 住所により25,000円・60,000円・80,000円 ―

(各市・組合の公式の料金表。「大人」の年齢は、札幌市・新潟市・広島市・高松市・熊本市・いなんせ斎苑が12歳以上、京都市・大阪市・福岡市・横浜市が10歳以上、仙台市が6歳以上です。札幌市は2026年4月から改定され、それまで住民は無料でした。京都市は2017年4月1日現在の表示です)

住民の料金は無料から2万円ほどまでで、住民以外になると数倍に上がります。一方、東京23区は火葬場の多くが民営で、民営6斎場の火葬料は大人87,000円です(東京23区の火葬場の料金と特徴)。

「住民」かどうかの決め方も火葬場で違います。大阪市は申し込む人と亡くなった人のどちらかが市民なら、鹿児島市は亡くなった人か申請する人のどちらかが市内に住んでいれば住民の料金です。故人が離れて暮らしていた場合は、予約のときに確かめましょう。都道府県ごとの火葬場の数と混み具合は47都道府県の火葬場の数と混み具合で比べています。

火葬までの日数が延びる地域

鎌倉新書の2024年の調査では、亡くなってから火葬までの日数は、全国では「2日後」が最も多い回答でした。一方、関東では過半数が4日以上かかっていました。火葬場1か所あたりの死亡数が多い地域では、予約を待つ日が増えます。

待つ日数分の安置料やドライアイス代が加わります。目安はドライアイスの量・費用・交換の目安とご遺体の安置場所と日数をご覧ください。

費用を抑える方法

葬儀の費用は、決め方しだいで変わります。次の順に考えると、むだを減らしやすくなります。

  1. 形式と人数を先に決める。飲食と返礼品は人数に比例します。呼ぶ範囲を家族で話し合います。
  2. 見積書を受け取り、明細を見る。何が含まれ、何が別料金かを確かめます。
  3. 含まれる日数を確かめる。安置とドライアイスが何日分か、延びたら1日いくらかを聞きます。
  4. できれば2社以上を比べる。鎌倉新書の2026年の調査では、葬儀社を自分で決めた人の87.1%が1社だけで決めるか、見積もりを取っていませんでした。
  5. 公営の斎場や火葬場を使う。住民なら料金が安く設定されています。
  6. 自治体の制度を調べる。祭壇や火葬などの料金を定めた「市民葬儀」「区民葬儀」といった制度を設けている市区町村があります。「(市区町村名) 市民葬儀」で検索するか、市区町村の窓口でたずねます。
  7. 給付金を申請する。国民健康保険の葬祭費や、会社の健康保険の埋葬料は、申請すれば受け取れます。

ポイント

自治体の葬儀の制度は、含まれる範囲が限られていることが多いです。たとえば川崎市の市民葬儀は、火葬式の「規格B」が税込20万9,000円で、火葬料などは別です。安置やドライアイス、遺影、返礼品、飲食が含まれない制度もあります。使うときは、何が別料金かを確かめます。

給付金の金額や申請先は葬祭費・埋葬料の申請にまとめています。

料金トラブルを避けるために

国民生活センターは2026年6月3日、「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」を公表しました。全国の消費生活センターなどに寄せられた葬儀サービスの相談は、2025年度で917件でした。2026年3月末までに登録された分です。そのうち「高価格・料金」に関する相談は52.6%を占めます。

紹介された事例には、次のようなものがあります。

  • 一日葬は約30万円というチラシを見て頼んだら、約80万円の契約になった。
  • 「家族葬50万円」の表示を見て頼んだが、明細のない見積書で追加費用も出て、総額200万円を超えた。

国民生活センターは、打ち合わせを複数人で行うこと、見積書を受け取って明細を確かめることをすすめています。困ったときは、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターを案内してもらえます。

費用が払えないとき

生活に困っていて葬儀ができない場合は、生活保護法第18条の「葬祭扶助」があります。検案、ご遺体の運搬、火葬または埋葬、納骨など、葬祭に必要な範囲が対象です。対象になるかどうかや手続きは、葬儀の前に市区町村の福祉事務所へ相談してください。

亡くなった直後の流れは家族が亡くなったらすること、通夜から火葬までの日程はお通夜・葬儀・告別式の流れをご覧ください。

よくある質問

葬儀費用の平均はいくらですか?

鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」では、総額は96.73万円でした。同社は今回、過去の調査も含めて中央値で集計し直しています。2024年の調査の発表時は、平均で118.5万円でした。

家族葬の費用はいくらくらいですか?

2026年の同じ調査で、家族葬の総額は96.39万円でした。参列者が少なくても、祭壇や式場の費用は人数に比例しないため、一般葬との差は思ったほど大きくないことがあります。見積書で明細を確かめてください。

お布施は葬儀費用に含まれていますか?

鎌倉新書の調査の総額は、基本料金・飲食費・返礼品費の合計で、お布施(宗教者へのお礼)は含まれていません。お布施の額は宗派や地域、お寺との関係で大きく違うため、菩提寺に直接たずねてかまいません。

葬儀費用が払えないときはどうすればよいですか?

国民健康保険の葬祭費や、会社の健康保険の埋葬料は、申請すれば受け取れます。生活に困っている場合は、生活保護の葬祭扶助という制度もあります。葬儀の前に、市区町村の福祉事務所へ相談してください。

見積もりより高くなるのはなぜですか?

参列者が増えて飲食や返礼品が増える、火葬待ちで安置やドライアイスの日数が延びる、オプションを追加する、などが主な理由です。国民生活センターにも、表示や見積もりより高くなったという相談が寄せられています。

出典・参考にした資料

  1. 第7回お葬式に関する全国調査(2026年)株式会社鎌倉新書(2026-10-07 確認)
  2. 第7回お葬式に関する全国調査(2026年)調査結果ページ株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-07 確認)
  3. 第6回お葬式に関する全国調査(2024年)株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-07 確認)
  4. 依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-「家族葬だから安い」と思っていませんか?-国民生活センター(2026-10-07 確認)
  5. 市営斎場のご案内(火葬料金)横浜市(2026-10-07 確認)
  6. 使用料臨海斎場(2026-10-07 確認)
  7. 料金のご案内(火葬料金)東京博善株式会社(2026-10-07 確認)
  8. 区民葬儀について大田区(2026-10-07 確認)
  9. 市民葬儀(規格の内容と料金)川崎市(2026-10-07 確認)
  10. 生活保護法(第18条)e-Gov法令検索(2026-10-07 確認)
  11. 斎場の利用案内(火葬料金)札幌市(2026-10-07 確認)
  12. 葛岡斎場仙台市(2026-10-07 確認)
  13. 斎場のご案内新潟市(2026-10-07 確認)
  14. 第二斎場名古屋市(2026-10-07 確認)
  15. 中央斎場の使用料京都市(2026-10-07 確認)
  16. 市立斎場の使用料(参考資料)大阪市(2026-10-07 確認)
  17. 市営火葬場の使用料広島市(2026-10-07 確認)
  18. 高松市斎場条例高松市(2026-10-07 確認)
  19. 福岡市葬祭場条例福岡市(2026-10-07 確認)
  20. 熊本市斎場熊本市(2026-10-07 確認)
  21. 斎場の使用料金表鹿児島市(2026-10-07 確認)
  22. いなんせ斎苑 ご利用案内南部広域市町村圏事務組合(2026-10-07 確認)

制度や料金は変わることがあります。編集方針/誤りに気づいたらお知らせください。

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