葬儀の費用と形式

葬儀の返礼品とは 会葬御礼と香典返しの違い、地方別の数と費用の目安

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 返礼品は、参列へのお礼(会葬御礼)と、香典へのお礼(香典返し)の2つに分かれます。
  • 香典返しを当日に渡すなら、全互協によると一律2,000〜3,000円程度の品が一般的です。
  • 2026年の鎌倉新書の調査で返礼品費は13.03万円。参列人数に比例して増えます。
目次
  1. 葬儀の返礼品は2つに分かれる
  2. 返礼品の費用は全国調査で13.03万円
  3. 地方別:参列人数から見た返礼品の数と費用の早見表
  4. 返礼品の数の決め方
  5. 品物と掛け紙(のし紙)
  6. 香典を辞退する葬儀や、香典返しをしない場合
  7. 見積もりと支払いで確かめること
  8. 地域で違うこと

葬儀の返礼品は、喪家が参列者に渡すお礼の品です。参列そのものへのお礼(会葬御礼)と、香典へのお礼(香典返し)の2つに分かれます。香典返しを葬儀の当日に渡す「当日返し」なら、全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)によると一律2,000〜3,000円程度の品が一般的です。

費用は参列する人の数で大きく変わります。鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」では、葬儀の返礼品費は13.03万円でした。この記事では、返礼品の種類の違い、地方ごとの参列人数から見た数と費用の目安、数の決め方をまとめました。忌明け後の香典返しの詳しい作法は香典返しの金額・時期・表書きにあります。

葬儀の返礼品は2つに分かれる

返礼品という言葉は、葬儀社の見積書などでまとめて使われます。中身は、何へのお礼かで2つに分かれます。

種類 何へのお礼か 渡す時期 品物の考え方
会葬御礼の品 参列してくれたこと 通夜・葬儀の当日 会葬礼状に添える小さな品
当日返し(即日返し) 香典 通夜・葬儀の当日 全員に同じ品。一律2,000〜3,000円程度
忌明け返し 香典 四十九日などの忌明け後 香典の額に合わせて品を分ける

(全互協「香典返しは?」「葬儀・告別式の手順は?」をもとに作成)

全互協は、香典返しは葬儀の当日か、四十九日の忌明け後にするのが一般的で、当日に渡す家が増えているとしています。当日返しなら、香典帳(誰からいくら受け取ったかの記録)をもとに送り分ける手間と、配送料がかかりません。

会葬御礼の品は、香典を出したかどうかに関係なく、来てくれた人に会葬礼状と一緒に渡すものです。全互協は、一般の参列者には会葬礼状で挨拶とお礼に代えているので、改めてお礼に出向く必要はないとしています。

補足

地域や葬儀社によっては、会葬御礼の品と当日返しの品を分けず、1つの品で兼ねることもあります。どちらの意味の品なのか、見積もりのときに葬儀社に確かめると、数の数え方を間違えにくくなります。

返礼品の費用は全国調査で13.03万円

鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」は、2024年3月から2026年3月に喪主を務めた全国の40歳以上の2,000人に、インターネットで尋ねた調査です。葬儀費用の内訳は次のとおりでした。

内訳 金額 中身
基本料金 72.02万円 祭壇・式場・火葬など
飲食費 11.67万円 通夜ぶるまい・精進落としなど
返礼品費 13.03万円 香典へのお礼の品など
総額 96.73万円 上の3つの合計

(鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」。同社は過去の調査も含め中央値で集計し直しています)

鎌倉新書は、飲食費と返礼品費は1人あたりにかかる費用なので、参列人数に比例して変わると説明しています。参列者が少ない家族葬では返礼品費も小さくなり、多い一般葬では大きくなります。葬儀費用の全体は葬儀費用の相場と内訳にまとめています。

地方別:参列人数から見た返礼品の数と費用の早見表

参列する人の数は、地域でかなり違います。鎌倉新書の「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」の都道府県別の平均を、編集部が地方ごとにまとめ直し、当日返しの品を参列人数ぶん用意した場合の費用を計算しました。

地方 参列人数の平均 1個2,000円なら 1個3,000円なら
北海道 36.0人 約7.2万円 約10.8万円
東北 41.4人 約8.3万円 約12.4万円
関東 32.8人 約6.6万円 約9.8万円
北陸 46.6人 約9.3万円 約14.0万円
中部 46.5人 約9.3万円 約14.0万円
近畿 26.1人 約5.2万円 約7.8万円
中国 29.6人 約5.9万円 約8.9万円
四国 29.9人 約6.0万円 約9.0万円
九州 53.8人 約10.8万円 約16.1万円
沖縄 89.0人 約17.8万円 約26.7万円
全国 38.9人 約7.8万円 約11.7万円

(参列人数は「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」(鎌倉新書「いい葬儀」)の都道府県別の平均を、回答数で重みをつけて地方ごとに集計。費用は参列人数×1個の金額で編集部が計算。北陸は新潟・富山・石川・福井、近畿は三重を含む7府県、九州は沖縄を除く7県)

表から読み取れることです。

  • 沖縄と九州は、近畿の2〜3倍の数が要る計算です。同じ品を選んでも、地域によって費用に10万円以上の差が出ます。
  • 計算は当日返しの品だけです。会葬御礼の品を別に用意したり、高額の香典に忌明け後の品を追加したりすると、その分が上乗せされます。
  • 平均は目安です。実際の数は、故人の交友関係や、家族葬にするかどうかで大きく変わります。

ポイント

自分の場合に当てはめるときは、「来てくれそうな人数」×「1個の金額」で計算します。たとえば50人で1個2,500円なら12.5万円です。会葬御礼の品を分けて用意するなら、その数と単価も足します。

返礼品の数の決め方

返礼品は、通夜の前に葬儀社へ数を伝えることが多い品です。次の順に決めると、足りない・余るを減らせます。

  1. 参列者の見込みを出す:喪主と家族で、訃報を伝えた範囲から人数を見積もります。故人の勤め先や地域の集まりに連絡したかも数に入れます。
  2. 何へのお礼の品かを決める:会葬御礼の品と当日返しを分けるのか、1つの品で兼ねるのかを決めます。
  3. 会葬御礼の品は参列者の数で考える:香典を出さない人にも渡すので、来てくれた人の数が基準です。
  4. 当日返しは香典の件数で考える:夫婦や家族で1つの香典を出す人もいるため、参列者の数より少なくなることがあります。
  5. 余った分の扱いを確かめる:使わなかった品を返品できるか、追加は当日いつまでできるかを、注文する前に葬儀社に聞きます。
  6. 高額の香典を書き出しておく:当日返しでは額がわからないまま渡すため、全互協は、とくに高額の香典には忌明け後に改めて品を贈る配慮が要るとしています。香典帳は捨てずにとっておきます。

品物と掛け紙(のし紙)

全互協は、香典返しの品はタオル・シーツ・お茶などの家庭用品が多いとしています。当日返しの品は、持ち帰りやすい大きさと重さのものを選びます。

項目 よく使われる形 補足
水引 黒白の結び切り 神式は銀か白(全互協)
表書き 志 地域を問わず使われる
表書き(西日本) 粗供養 献辞辞典は、特に西日本で多いとしている
名前 喪主の名前か「〇〇家」 水引の下に書く

(全互協「香典返しは?」、献辞辞典をもとに作成)

神式では、全互協によると水引は銀色か白色にして、黒白は使いません。表書きは「志」です。キリスト教式には本来香典返しのしきたりはないと、全互協は説明しています。

香典を辞退する葬儀や、香典返しをしない場合

家族葬などで香典を辞退した場合は、香典を受け取っていないので香典返しは要りません。参列へのお礼として、会葬礼状や小さな品を用意するかどうかは、家族で決めてかまいません。

全互協は、次の場合は香典返しをしないとしています。

  • 香典の中包みに「香典返し不要」と書き添えてあった場合
  • 故人の遺志で、香典を社会福祉団体などに寄付した場合(忌明け後に、寄付したことと寄付先を書いた礼状を送ります)

一家の生計を支えていた人が亡くなり、香典を遺族の生活費や子どもの教育費にあてる場合も、香典返しは必ずしもしなくてよいと全互協は説明しています。家族葬の進め方は家族葬とはにまとめています。

見積もりと支払いで確かめること

返礼品は、人数で金額が動く費用です。国民生活センターは、葬儀で見積書を必ず受け取り、明細をよく確かめるよう呼びかけています。見積もりの段階で、次の点を確かめておくと安心です。

確かめること 理由
1個の単価と、何個で見積もっているか 総額だけでは比べられない
会葬御礼と当日返しを分けているか 数え方が変わる
余った品を返品できるか 人数は当日まで確定しない
追加の締め切り時刻 足りないときに間に合うか

葬儀が終わったら、全互協は、会葬者名簿や香典の控え、会計簿を引き継ぎ、仮払い金を精算して領収書を保管するよう案内しています。

注意

相続税を計算するとき、香典返しにかかった費用は、葬式費用として遺産から差し引けません(国税庁 No.4129)。受け取った香典は、社会通念上相当と認められる額なら贈与税がかかりません(国税庁 No.4405)。詳しくは税務署か税理士に確かめてください。

地域で違うこと

返礼品の数と中身は、地域の習わしに左右されます。

  • 参列する人の数:上の早見表のとおり、九州・沖縄は多く、近畿・中国・四国は少ない傾向です。
  • 表書き:西日本では「粗供養」も使われます。忌明け返しの表書きの地域差は、香典返しの記事で比べています。
  • 当日返しと忌明け返し:どちらが多いかは地域や家で違います。迷ったら、同じ地域で葬儀を出した親族や、地元の葬儀社に聞くのが確実です。

忌明け後に品を送る場合の時期や挨拶状は香典返しの金額・時期・表書きに、法事の日の引き出物は法事のお返し・引き出物にまとめています。

よくある質問

葬儀の返礼品とは何ですか?

葬儀に来てくれた人や香典をくれた人に、喪家から渡すお礼の品のことです。参列そのものへのお礼として会葬礼状に添える品と、香典へのお礼である香典返しがあります。香典返しは、葬儀の当日に渡す「当日返し(即日返し)」と、忌明け後に送る形があります。

葬儀の返礼品の金額はいくらくらいですか?

香典返しを当日に渡す場合、全日本冠婚葬祭互助協会は一律2,000〜3,000円程度の品が一般的としています。返礼品全体の費用は、鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」で13.03万円でした。参列人数が多い地域ほど費用は増えます。

返礼品はいくつ用意すればいいですか?

参列へのお礼の品は来てくれた人の数、香典返しは香典の件数をもとに考えます。夫婦や家族で1つの香典を出す人もいるので、香典返しの数は参列者の数より少なくなることがあります。余った分を返品できるかは、注文する前に葬儀社に確かめておきます。

当日返しをしたら、忌明けにまた香典返しが要りますか?

多くの人には当日の品で済みます。ただ、香典の額がわからないまま一律の品を渡すため、全互協は、とくに高額の香典をくれた人には忌明け後に改めて品を贈る配慮が必要としています。

香典を辞退した葬儀でも返礼品は要りますか?

香典を受け取らなければ、香典返しは要りません。参列へのお礼として会葬礼状や小さな品を用意するかは、家族で決めてかまいません。香典の中包みに「香典返し不要」と書かれていた場合も、全互協はその場合は香典返しをしないとしています。

出典・参考にした資料

  1. お葬式のマナー:香典返しは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-25 確認)
  2. お葬式のマナー:葬儀・告別式の手順は?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-25 確認)
  3. お葬式のマナー:お礼・挨拶・形見分けは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-25 確認)
  4. お葬式のマナー:葬儀後の引き継ぎと支払いは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-25 確認)
  5. 第7回お葬式に関する全国調査(2026年)株式会社鎌倉新書(2026-10-25 確認)
  6. 第7回お葬式に関する全国調査(2026年)調査結果ページ株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-25 確認)
  7. 第6回お葬式に関する全国調査(2024年)株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-07 確認)
  8. 粗供養(献辞辞典)コトバンク(2026-10-25 確認)
  9. 依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-「家族葬だから安い」と思っていませんか?-国民生活センター(2026-10-25 確認)
  10. No.4129 相続財産から控除できる葬式費用国税庁(2026-10-25 確認)
  11. No.4405 贈与税がかからない場合国税庁(2026-10-25 確認)

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