葬儀のあと

香典返しの相場・時期・品物 半返しの考え方と四十九日後の送り方、のしの書き方

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 金額は、いただいた香典の半分から3分の1程度の品が目安です。
  • 仏式では四十九日の法要を終えてから、挨拶状を添えて送るのが一般的です。
  • 表書きは「志」が全国で使われます。関西などでは「満中陰志」も使います。
目次
  1. まず決めること:当日返しか、忌明け返しか
  2. 金額の目安(半返しの考え方)
  3. 送る時期は四十九日(忌明け)のあと
  4. 品物の選び方
  5. 掛け紙(のし紙)の書き方
  6. 挨拶状(お礼状)の書き方
  7. 香典返しをしなくてもよい場合
  8. 費用と税金のこと

香典返しは、いただいた香典の半分から3分の1程度の品を送るのが一般的です。時期は忌明け(喪に服す期間が明けること)のあとで、挨拶状を添えます。仏式では四十九日の法要を終えてから送ります。表書きは「志」が広く使われ、関西などでは「満中陰志」とも書きます。

葬儀の日に、香典をくださった全員に同じ品を渡す「当日返し」もあります。この場合も、高額の香典をいただいた方には忌明け後にあらためて品を送ります。この記事は、仏式を基本にまとめました。地域や家のしきたりで違う点は、その都度ふれます。

まず決めること:当日返しか、忌明け返しか

香典返しには、渡し方が大きく2つあります。どちらにするかで、準備の時期と手間が変わります。葬儀社に返礼品を頼むときに決めておくと進めやすくなります。

当日返し 忌明け返し
渡す時期 通夜・葬儀の当日 四十九日の法要のあと
品物 全員に同じ品 香典の額に合わせて選ぶ
渡し方 会場で手渡し 挨拶状を添えて配送
気をつけること 高額の香典には後日追加 香典帳の整理が必要

全日本冠婚葬祭互助協会は、当日返しの品は一律2,000〜3,000円程度が一般的と案内しています。当日返しをする家が増えているとも説明しています。当日返しなら、香典帳(香典をくださった方の記録)をもとに送り分ける手間が減ります。

金額の目安(半返しの考え方)

香典返しは、いただいた額の半分ほどを返す「半返し」が目安とされます。NTT東日本のマナー案内では、香典などへのお礼は3分の1〜半額程度の品が一般的としています。平凡社の世界大百科事典は、半額程度を返す習俗は都市部では一般的だが、行われていない地方も広いと説明しています。

いただいた額ごとの計算の例です(端数は切りのよい額にしています)。

いただいた香典 半額 3分の1
3,000円 1,500円 1,000円
5,000円 2,500円 1,700円
1万円 5,000円 3,300円
3万円 1万5,000円 1万円
5万円 2万5,000円 1万7,000円
10万円 5万円 3万3,000円

忌明け返しで送る場合は、香典の額をいくつかの段階に分け、段階ごとに品物を決めると準備が楽になります。

高額の香典をいただいたとき

近い親族からの高額な香典には、葬儀の費用を助ける意味がこめられていることがあります。そのため、半額にこだわらず3分の1程度に抑えることもあります。気になるときは、親族の年長者に相談すると安心です。

当日返しをした方に高額の香典をいただいていたら、忌明け後に別の品を送ります。半返しの額から、当日に渡した品の額を引いた分を目安にします。

会社や連名でいただいたとき

  • 会社の名前でいただいた香典:福利厚生の規程による弔慰金であれば、香典返しは要らないとする考え方があります。社長個人の名前でいただいた場合は、個人あてに返すのが一般的とされます。
  • 職場の有志一同など連名の香典:1人あたりの額が少なければ、皆で分けられるお菓子などを職場に送る方法があります。挨拶状を添えると、お礼の気持ちが伝わります。
  • 連名でも1人ずつの額が多い場合:それぞれに品を送ります。

職場でのお返しは会社ごとに慣行があるので、総務の担当者にたずねるのが確実です。

送る時期は四十九日(忌明け)のあと

仏式では、亡くなってから四十九日目を忌明けとし、四十九日の法要を終えてから香典返しを送ります。法要が済んだ報告とお礼を兼ねているためです。全日本冠婚葬祭互助協会によると、三十五日を忌明けとする人もいます。

四十九日の日付は四十九日の数え方や法要日程の計算ツールで確かめられます。法要の準備は四十九日法要の準備と当日の流れをご覧ください。

補足

神式では、亡くなってから50日目の五十日祭のあとに送るのが目安です。神社本庁は、五十日祭を終えたら家中を祓い、神棚のおまつりを再開すると説明しています。キリスト教式には本来、香典返しのしきたりはありません。亡くなって1か月ほどの記念の集いのあとに品を贈ることがあります。

四十九日を過ぎてしまったら

法要のあと、あまり間をあけずに届けるのが望ましいとされます。遅れてしまっても、お詫びの一文を添えて送りましょう。挨拶状に「ご挨拶が遅くなりましたことをお詫び申し上げます」などと書きます。

品物の選び方

香典返しには、使うとなくなる品(消えもの)がよく選ばれます。「不幸をあとに残さない」という考えからだとされます。

  • 食べ物:お茶、海苔、お菓子、乾物、調味料など
  • 日用品:タオル、洗剤、石けんなど
  • カタログギフト:相手が品を選べます。額の段階ごとに用意しやすい方法です

肉や魚などの生ものや、お祝いを思わせる品は避けるのが一般的とされます。目上の方に商品券など額がはっきりわかる品を贈ることは、失礼と受け取る人もいます。迷ったら、消えものかカタログギフトにすると無難です。

掛け紙(のし紙)の書き方

品物には、水引を印刷した「掛け紙」をかけます。小学館の日本大百科全書は、熨斗(のし)は凶事の贈答品には付けないのが本来の形だと説明しています。そのため、右上に飾りの「のし」がない掛け紙を選びます。

  • 水引:黒白の結び切り(一度結ぶとほどけない結び方)が一般的です。弔事には黄と白、銀一色、白一色の水引も使われます(世界大百科事典)。地域の習わしに合わせます。
  • 表書き:水引の上に書きます。下の表から選びます。
  • 名前:水引の下に、喪主の姓か「〇〇家」と書きます。
表書き 使う場面
志 地域を問わず広く使われる。神式でも使う
満中陰志 仏式。関西を中心に使う
忌明志 仏式。忌明けのお礼として
偲草(しのびぐさ) 神式・キリスト教式で使うことがある

満中陰(まんちゅういん)は、四十九日の忌明けを迎えることを指します。小学館のデジタル大辞泉は、満中陰志を関西で使う言葉としています。西日本では、法要の引き物に「粗供養」と書くこともあります。

補足

浄土真宗でも、四十九日(満中陰)の法要を営みます。真宗大谷派は、中陰を亡くなってからの四十九日間と説明しています。表書きに迷ったら「志」にすると無難です。

挨拶状(お礼状)の書き方

忌明け返しには、挨拶状を添えます。書く内容は次のとおりです。

  1. 葬儀に参列していただいたこと、香典をいただいたことへのお礼
  2. 四十九日の法要を済ませたことの報告
  3. 品物を送ったこと
  4. 本来は会ってお礼を言うべきところ、書面で失礼するおわび

挨拶状では、句読点(、。)を使わない書き方が昔からの習わしとされます。文例の一つです。

補足

謹啓 先般 亡父〇〇の葬儀に際しましては ご丁重なお心遣いをいただき ありがとうございました

おかげさまで 〇月〇日に四十九日の法要を営み 無事に忌明けを迎えました

ささやかではございますが 感謝のしるしに心ばかりの品をお送りいたします どうぞお納めください

本来ならお目にかかってお礼を申し上げるべきところ 書中にてご挨拶とさせていただきます 敬白

令和〇年〇月 喪主 〇〇〇〇

香典返しをしなくてもよい場合

次のような場合は、香典返しをしないこともあります。その場合でも、お礼状は送ります。

  • 香典袋に「お返しは不要です」と書き添えてあった:相手の気持ちに従い、品物は送りません。
  • 「新生活」の香典をいただいた:地域によっては、香典を少額にする代わりにお返しを辞退する習わしがあります。埼玉県入間市は、香典を3,000円までとし、香典返しは受けない新生活運動を進めています。
  • 一家の生計を支えていた人が亡くなった:香典を遺族の生活費や子どもの教育費にあてることがあります。全日本冠婚葬祭互助協会は、この場合は必ずしも香典返しをしなくてよいとしています。
  • 香典を寄付にあてた:故人の遺志で福祉団体などに寄付した場合は、忌明け後にその旨と寄付先をお礼状で知らせます。

香典をあらかじめ辞退していた場合は、香典返しの準備も要りません。

費用と税金のこと

鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」では、葬儀でかかった返礼品費は13.03万円でした。香典へのお礼の品などの費用で、同社は過去の調査も含めて中央値で集計し直しています。参列する人の数に比例して増える費用です。

国税庁によると、個人から受ける香典で社会通念上相当なものには、贈与税はかかりません。一方、香典返しにかかった費用は、相続税の計算で遺産から差し引ける葬式費用には含まれません。相続税の申告が必要な場合は、税務署や税理士に確認してください。

香典の額の目安は香典の金額の相場、一周忌など次の法要は年忌法要の早見表をご覧ください。

よくある質問

香典返しはいつ送りますか?

仏式では、四十九日の法要を終えて忌明けを迎えてから送るのが一般的です。三十五日を忌明けとする地域もあります。神式は五十日祭のあとが目安です。葬儀の日に品物を渡す「当日返し」をする方法もあります。

香典返しの金額の目安はいくらですか?

いただいた香典の半額程度(半返し)から3分の1程度の品が一般的です。1万円なら3,300〜5,000円程度になります。親族からの高額な香典は、3分の1程度に抑えることもあります。

香典返しののしの表書きは何と書きますか?

広く使われるのは「志」で、神式でも使います。関西などでは「満中陰志」と書くこともあります。弔事の品には飾りの「のし」は付けず、黒白などの結び切りの水引の掛け紙を使います。下には喪主の姓か「〇〇家」を書きます。

当日返しをした場合、四十九日のあとにも送りますか?

当日返しは、香典の額にかかわらず同じ品を渡す方法です。そのため、高額の香典をいただいた方には、忌明け後にあらためて品を送るのが一般的です。差額の分を目安に選びます。

香典返しを受け取ったら、お礼を伝えるべきですか?

全日本冠婚葬祭互助協会は、香典返しを受けた側は礼状を出さないのがしきたりだと案内しています。親しい間柄なら、届いたことを電話などで伝える程度でよいでしょう。

出典・参考にした資料

  1. 香典返しは?(お葬式のマナー)一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  2. お悔やみのマナー(弔電のお返し)NTT東日本(2026-10-07 確認)
  3. 香典(日本大百科全書)コトバンク(小学館)(2026-10-07 確認)
  4. 香典返し(世界大百科事典の言及)コトバンク(平凡社)(2026-10-07 確認)
  5. 満中陰志(デジタル大辞泉)コトバンク(小学館)(2026-10-07 確認)
  6. 志(デジタル大辞泉)コトバンク(小学館)(2026-10-07 確認)
  7. 水引(世界大百科事典)コトバンク(平凡社)(2026-10-07 確認)
  8. 熨斗(日本大百科全書)コトバンク(小学館)(2026-10-07 確認)
  9. 偲び草(献辞辞典)コトバンク(株式会社ササガワ)(2026-10-07 確認)
  10. 入間市新生活運動について入間市(2026-10-07 確認)
  11. 葬儀・法事・お墓のこと(中陰)真宗大谷派(2026-10-07 確認)
  12. 神葬祭神社本庁(2026-10-07 確認)
  13. 【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)株式会社鎌倉新書(2026-10-07 確認)
  14. No.4129 相続財産から控除できる葬式費用国税庁(2026-10-07 確認)
  15. No.4405 贈与税がかからない場合国税庁(2026-10-07 確認)

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