葬儀のあと

一周忌の準備と当日の流れ 誰を呼ぶか・お布施・香典・服装・引き出物

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 一周忌は満1年の祥月命日に営みます。都合が悪ければ、その前の日に繰り上げます。
  • 案内は1か月前までに。準備は2〜3か月前に菩提寺へ連絡することから始めます。
  • お布施の全国的な調査は見当たりません。金額は菩提寺に尋ねてかまいません。
目次
  1. 一周忌はいつ営むか
  2. 準備の逆算表
  3. 家族だけで営む場合との違い
  4. お布施と、別に包むもの
  5. 当日の流れ
  6. 招かれた人の香典(御供物料)
  7. 表書きの早見表
  8. 服装
  9. 浄土真宗・神式・キリスト教式の場合

一周忌は、亡くなってから満1年の祥月命日(しょうつきめいにち=亡くなった月日と同じ日)に営む法要です。都合がつかない場合は、その前の土日などに繰り上げて営みます。準備は2〜3か月前を目安に菩提寺(お付き合いのあるお寺)へ連絡することから始め、招く人には1か月前までに知らせます。

お布施の金額は、全国的な調査が見当たらず、地域やお寺によって違います。この記事では、施主(法要を営む人)がすることを順番に並べ、お布施、参列者の香典、服装、引き出物までまとめました。仏式の場合を中心に、浄土真宗、神式の一年祭にも触れます。

一周忌はいつ営むか

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、一周忌を亡くなった翌年の祥月命日に営む法事と説明しています。たとえば2025年11月20日に亡くなった場合、一周忌は2026年11月20日(金曜日)です。

決め方 2025年11月20日に亡くなった場合の例
祥月命日の当日 2026年11月20日(金)
直前の土日に繰り上げ 2026年11月14日(土)か15日(日)
逮夜(前日)に営む地域 2026年11月19日(木)

曹洞宗は、年回法要は祥月命日か、その前夜の「お逮夜(たいや)」に営むのが正式だと説明しています。都合がつかないときは、祥月命日より前に営むのがよいとしています。全互協も、当日より前で当日に近い日を選ぶよう勧めています。全互協によると、関西では逮夜を大事にして、前日に営むことがあるそうです。

三回忌から先の年の数え方は一周忌・三回忌・七回忌はいつ?に、日付と曜日は法要日程の計算ツールで確かめられます。

補足

一周忌は、喪中(もちゅう)の区切りとされることが多い法要です。喪中の過ごし方は喪中とはにまとめています。

準備の逆算表

全互協と臨済宗妙心寺派の冊子が示す手順をもとに、時期の目安を編集部が並べました。家族だけで営む場合は、表の「招く人への案内」を電話などで済ませてかまいません。

時期 やること 誰が
2〜3か月前 菩提寺に日時と場所を相談する 施主
2か月前 会場と会食の場所を決めて予約する 施主
1か月前まで 招く人に案内を出す(返信はがきか電話) 施主
3週間前 引き出物とお供えを手配する 施主・家族
1〜2週間前 人数を決め、会場・会食・引き出物の数を伝える 施主
前日まで お布施などを包む。お墓を掃除する 施主・家族

1. 菩提寺に相談する

最初に、菩提寺に日時と場所を相談します。曹洞宗は、施主の都合がよくても、お寺で行事が予定されている場合があるとしています。まず菩提寺に連絡して日程を調整し、遅くても1か月くらい前までに決めるよう案内しています。お寺には法事が重なる時期があります。お盆には僧侶が多くの家を回って読経するため、その前後に一周忌が当たる場合は特に早めに連絡します。菩提寺がない場合は、葬儀でお世話になった僧侶に相談する方法があります。

2. 会場と会食を決める

全互協によると、法要の場所は自宅のほか、菩提寺、斎場、ホテルなどがあります。墓地に付いた会館や互助会の会館を使うことも増えています。寺で読経をしてもらい、料理店などに移って会食する形もあります。

法要のあとの会食は「お斎(おとき)」と呼ばれます。妙心寺派の冊子と真宗大谷派は、お斎は単なる食事会ではなく、僧侶や参列者と食事を共にする仏事だと説明しています。会食をしない場合は、持ち帰りの料理や品物を用意する家もあります。

3. 招く人に知らせる

全互協は、日程と場所が決まったら、招く人に1か月ぐらい前に知らせるよう勧めています。妙心寺派の冊子は、案内状に日時・会場・会食の有無を書き、出欠の返信はがきを同封するよう案内しています。曹洞宗は、近親者だけなら電話で済むとし、案内状には会場までの地図や塔婆(とうば)を立てるかどうかも書き添えるとよいとしています。

4. 引き出物とお供えを用意する

全互協によると、法要では参列者に返礼品(引き出物)を渡します。数が足りなくならないよう、出欠の返事がそろってから数を決め、予備を少し用意すると安心です。表書きは後の表を参考にしてください。

家族だけで営む場合との違い

一周忌に誰を招くかに決まりはありません。全互協は、法要に招かれるのは親類のほか、故人とごく親しかった友人・知人で、内輪ですませることも多いとしています。

項目 親族や知人を招く 家族だけ
知らせ方 案内状か電話。1か月前まで 家族で話し合えば十分
会場 寺、斎場、ホテル、会館など 自宅や寺など
会食 お斎の席を用意する 家族で食事、または省く
引き出物 招いた人の数に合わせて用意 必要に応じて

家族だけで営んだ場合、あとで親族や故人の友人に知らせるかどうかも決めておきます。

補足

同じ年に別の家族の年忌が重なることがあります。曹洞宗は、2つ以上の法要を合わせて営むときは、新しく亡くなった人の命日に合わせるのが一般的だとしています。そのうえで、一周忌は他の年忌と合わせるのは避けたほうがよいとしています。三回忌ぐらいまでは、重ねずに営みたいとしています。

お布施と、別に包むもの

僧侶へのお礼をお布施といいます。一周忌のお布施について、調査元と調査年がはっきりした全国の統計は見当たりませんでした。寺院が目安を示している例はありますが、一つのお寺の金額を全国の目安とすることはできません。このため、この記事では金額を載せていません。

真宗大谷派は、お布施は読経の対価ではなく、本来金額に決まりはないと説明しています。そのうえで、地域の人に聞いたり、住職に事前に尋ねたりすることを勧めています。妙心寺派の冊子も、悩んだら住職に尋ねるよう案内しています。

全互協は、お布施のほかに次のものを別に包むと説明しています。

包み 渡す場面 表書き
お布施 法要のお礼として 御布施
御車代 寺以外の会場に来てもらったとき 御車代
御膳料 僧侶が会食を辞退したとき 御膳料

袋の色や水引は、宗派で考え方が違います。天台宗は、年回の法事に来てもらった僧侶へのお礼には赤い水引を使うのが一般例だとしています。真宗大谷派は、年忌法要では黒白か黄白、または白無地の袋を使うとしています。迷ったら白無地の封筒にすると、どの宗派でも使いやすいです。お布施の包み方と渡し方はお布施の相場と渡し方で詳しく説明しています。

当日の流れ

仏式の一周忌の、一般的な流れの例です。宗派や会場によって順番は変わります。

  1. 施主と家族が先に会場に入る。供物や花、引き出物を確かめ、僧侶を迎えます。
  2. 開式のあいさつ。施主が参列のお礼を短く述べます。
  3. 読経と焼香。僧侶の読経の間に、施主・家族・親族の順に焼香します。
  4. 法話・閉式。僧侶の話のあと、施主がお礼を述べます。
  5. お墓参り。会場がお墓に近ければ、全員でお参りします。
  6. お斎(会食)。施主のあいさつで始め、終わりに引き出物を渡します。

お布施を渡す時機は、地域やお寺によって違います。法要をお願いするときに聞いておくと、当日あわてません。

招かれた人の香典(御供物料)

一周忌に招かれたら、現金を包んで持参するのが一般的です。全互協は、金額の目安を葬儀の香典の半額程度としています。茶菓子だけの簡単な法要で、施主から気づかいは不要と言われた場合は、香典の2〜3割程度でよいとしています。

全互協が紹介している三和銀行の調査(1998年)では、一周忌の御供物料で最も多かった回答は1万円、次が5,000円でした。古い調査なので、親族の間で申し合わせがあればそれに合わせます。葬儀の香典の金額は香典の金額の目安にまとめています。

表書きの早見表

施主が用意する包みと、参列者が持参する包みの表書きを、資料ごとに突き合わせて一つにまとめました。

包み 仏式(一般) 浄土真宗 神式・キリスト教式
僧侶・神職へのお礼 御布施 御布施、御法礼 神式は神社に確認
参列者の香典 御仏前、御供物料 御仏前、御香儀 神式は御玉串料。キリスト教は御花料
参列者へのお返し 志。西日本では粗供養も ― 偲び草

(全互協、曹洞宗、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派の公式サイトと、デジタル大辞泉・献辞辞典をもとに作成。2026年10月8日確認。「―」は公式の説明で確かめられなかった項目)

全互協は、「御供物料」と書けばどの宗教でも通用するとしています。曹洞宗は、法事で仏前に供える金品には「御仏前」、お寺や僧侶へのお礼には「御布施」か「御法礼」を使うとしています。浄土真宗では、亡くなった人を「霊」としてまつらないので、「御霊前」は使いません(真宗大谷派、浄土真宗本願寺派)。献辞辞典によると、「粗供養」は特に西日本で多く使われる表書きです。お住まいの地域の習わしは、地域で違う葬儀のしきたりも参考にしてください。

服装

全互協は、施主と遺族は一周忌までは喪服を着るとしています。曹洞宗は、施主の側は略礼服などを着るのが一般的だとしています。招かれた人について、全互協は地味な外出着でかまわないとしつつ、喪服で参列する人が多い土地もあるので年長者に確かめるよう勧めています。施主から「平服で」と案内があれば、それに合わせます。

曹洞宗と真宗大谷派は、施主も参列者も数珠(念珠)を忘れずに持参するよう案内しています。大谷派は、法事には喪服か、派手ではない清楚な服装で参列するとしています。服装の細かい点は葬儀・法事の服装をご覧ください。

浄土真宗・神式・キリスト教式の場合

浄土真宗:一周忌を営む点は同じです。浄土真宗本願寺派は、法事は亡き人のためではなく、参列する一人ひとりが仏法を聞く場だと説明しています。法事の仏壇の飾りでは、ろうそくは三回忌までは白を使い、供花や供物もなるべく赤を避けるとしています。

神式:一周忌にあたるのは「一年祭」です。神社本庁によると、年祭は亡くなって満1年、3年、5年、10年と続きます。一年祭までが神葬祭の一連の儀式で、それ以降は「祖霊祭」と区分されます。日程は神社に相談してください。

キリスト教式:全互協によると、キリスト教には忌明けの考え方がありません。記念の集いの時期や形は教会によって違うので、所属する教会に相談してください。

四十九日の準備は四十九日法要の準備と当日の流れに、一周忌の前にお盆を迎える場合は初盆(新盆)の準備にまとめています。

よくある質問

一周忌はいつ営みますか?

亡くなってから満1年の祥月命日(亡くなった月日と同じ日)に営みます。2025年11月20日に亡くなった場合は2026年11月20日です。曹洞宗は、都合がつかないときは祥月命日より前に営むのがよいとしています。

一周忌のお布施はいくらですか?

調査元と調査年がはっきりした全国の統計は見当たりませんでした。真宗大谷派は、お布施に本来決まった金額はないとし、地域の人や住職に尋ねるよう勧めています。法要をお願いするときに、菩提寺に率直に聞いてかまいません。

一周忌に呼ぶのはどこまでですか?

決まりはありません。全互協は、法要に招くのは親類のほか、故人とごく親しかった友人・知人だとしています。家族だけで営むことも多く、その場合は電話などで知らせれば十分です。

一周忌に参列するとき香典はいくら包みますか?

全互協は、葬儀の香典の半額程度を目安としています。全互協が紹介する三和銀行の1998年の調査では、一周忌は1万円が最も多い回答でした。古い調査なので、親族間の申し合わせがあればそれに合わせます。

一周忌の服装は喪服ですか?

全互協は、施主と遺族は一周忌までは喪服を着るとし、招かれた人は地味な外出着でよいとしています。ただし、喪服で参列する人が多い地域もあります。施主から「平服で」と案内があれば、それに合わせます。

出典・参考にした資料

  1. お葬式のマナー:法事の種類にはどんなものがありますか?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  2. お葬式のマナー:法要・供養はどのようにして行なうの?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  3. お葬式のマナー:法要の進め方は?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  4. お葬式のマナー:法要に招かれたらどうする?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  5. お葬式のマナー:法事(法要)に出席するときは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  6. 臨済宗の仏事(オンライン版)臨済宗妙心寺派(2026-10-08 確認)
  7. 葬儀・法事・お墓のこと(法事・持ち物・服装・金封の表書き・お斎)真宗大谷派(2026-10-08 確認)
  8. よくあるご質問(法事の意味・法事のおかざり・金封の表書き)浄土真宗本願寺派(2026-10-08 確認)
  9. 法事の営み方曹洞宗(曹洞禅ネット)(2026-10-08 確認)
  10. Q&A(お寺さんへの御礼の包み方)天台宗(2026-10-08 確認)
  11. 志(デジタル大辞泉)コトバンク(2026-10-08 確認)
  12. 粗供養(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  13. 偲び草(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  14. 神葬祭神社本庁(2026-10-08 確認)

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