葬儀のあと

仏壇の選び方 いつ買うか・費用・置き場所と宗派ごとの本尊の早見表

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 四十九日の法要で本位牌を納めるため、それまでに仏壇を用意する家が多いです。
  • まつる本尊は宗派で違います。買う前に宗派名を確かめ、仏壇店に伝えます。
  • 鎌倉新書の2018年の調査では平均購入額33.6万円。最多は小型のミニ仏壇でした。
目次
  1. 仏壇は何をまつるところか
  2. いつ買うか(四十九日までが多い理由)
  3. 宗派ごとの本尊と、迎える法要の早見表
  4. 大きさの選び方(小さい仏壇でもよいか)
  5. 置き場所と向き
  6. 費用の目安(調査から)
  7. 仏壇を迎えたら(開眼・入仏の法要)
  8. 浄土真宗の仏壇で気をつけること
  9. 古い仏壇を処分・買い替えるとき

仏壇は、四十九日の法要までに用意する家が多いです。法要で白木の位牌から本位牌に替え、仏壇に納めることが多いためです。ただ、買う時期に決まりはありません。まず家の宗派を確かめます。宗派によって、まつる本尊(中心にまつる仏さま)や仏具が違うからです。

費用は、鎌倉新書の「仏壇 購入実態調査2018」で平均33.6万円でした。最も多かったのは、家具の上に置く小型の「ミニ仏壇」です。この記事では、買う時期、宗派ごとの本尊、大きさと置き場所、迎えるときの法要をまとめました。仏式の場合を中心に書いています。

仏壇は何をまつるところか

仏壇は、家の中で本尊と先祖をまつるところです。天台宗はお寺の本堂を小さくして家に置いたもの、浄土宗は「お家の中の小さなお寺」と説明しています。中心は本尊で、先祖や故人の位牌はその脇にまつります。日本大百科全書も、宗旨で様式は違うが、須弥壇(しゅみだん)に本尊を置き、左右に位牌をまつるのが総じての形だとしています。

天台宗によると、仏壇の始まりは諸説あります。通説では、685年に天武天皇が家ごとに仏像を置いて礼拝するよう命じたのが始まりとされます。一般の家に広まったのは江戸時代とされます。

いつ買うか(四十九日までが多い理由)

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、四十九日の法要で白木の位牌を塗りの位牌に替え、仏壇に納めると説明しています。臨済宗妙心寺派の冊子も、四十九日の法要で白木の位牌を本位牌に替えるとしています。このため、四十九日に間に合うよう仏壇を用意する家が多いのです。

一方で、時期に決まりはありません。浄土真宗本願寺派は、家族に亡くなった人が出たかどうかに影響されずに求めるのがいちばんだと説明しています。真宗大谷派も、葬儀や法要のために買うものと思われがちだが、暮らしの中の心のよりどころだとしています。

四十九日から逆算した準備の目安

時期 やること
葬儀のあとすぐ 宗派と菩提寺を確かめる
四十九日の1〜2か月前 置き場所を測り、仏壇と本尊を選ぶ
四十九日の1か月前 本位牌を注文する
四十九日の法要 開眼(入仏)の法要と本位牌の安置

本位牌は、文字を入れて仕上げるのに日数がかかります。霊符山尊星王院は、作るのに1週間から10日ほどかかると案内しています。仏壇と同じ店で頼むと、大きさを合わせやすくなります。位牌については位牌とは、法要の準備は四十九日法要の準備と当日の流れをご覧ください。四十九日の日付は法要日程の計算ツールで出せます。

宗派ごとの本尊と、迎える法要の早見表

各宗派の公式サイトの説明を、編集部が一つの表にまとめました。「―」は、公式サイトで説明を確かめられなかった項目です。菩提寺に確かめてください。

宗派 本尊 両脇にまつるもの 迎えるときの法要
天台宗 柔軟に考える。菩提寺に相談 右に天台大師、左に伝教大師 開眼法要
真言宗(豊山派) 大日如来(寺の本尊はさまざま) ― ―
浄土宗 阿弥陀仏(阿弥陀如来) ― ―
臨済宗 釈迦牟尼仏が一般的。観音・阿弥陀も可 達磨大師や本山の開山 ―
曹洞宗 釈迦牟尼仏(お釈迦さま) 道元禅師・瑩山禅師と描いた「一仏両祖」の絵像をかけることも ―
日蓮宗 大曼荼羅 ― 開眼法要
浄土真宗本願寺派 阿弥陀仏の絵像か「南無阿弥陀仏」の名号 親鸞聖人と蓮如上人の御影、または名号 入仏法要(入仏式)
真宗大谷派 阿弥陀如来の絵像 ― 御移徙(おわたまし)

(天台宗・真言宗豊山派・浄土宗・浄土真宗本願寺派・真宗大谷派・曹洞宗・日蓮宗の各公式サイトと、臨済宗黄檗宗連合各派合議所の説明をもとに作成。2026年10月7日確認)

表の「右」「左」は、仏壇に向かって見た向きです。本願寺派は、向かって右に親鸞聖人、向かって左に蓮如上人の御影をかけると説明しています。

注意

本尊をどこで受けるかにも、宗派ごとの考え方があります。真宗大谷派は、本尊は本山(東本願寺)から受けるよう案内しています。日蓮宗は、仏具店の曼荼羅は日蓮聖人の真筆を写したものでない場合があるとしています。本尊は、仏壇店で買う前に菩提寺に相談すると確実です。

大きさの選び方(小さい仏壇でもよいか)

仏壇の大きさに決まりはありません。真宗大谷派は、大きさや豪華さは問題ではないとしています。アパートやマンションで場所がない人向けに、家具の上に置ける折りたたみ式や額に入れた本尊も紹介しています。

置き方で分けると、次の2つがあります。

置き方 特徴 向いている場所
上置き型(ミニ仏壇) タンスや棚の上に置く小型の仏壇 仏間がない家、洋室
床置き型(台付き) 台が付いていて、床に置く仏壇 仏間や和室、広めの洋室

鎌倉新書の2018年の調査では、購入した仏壇は「ミニ仏壇」が37.0%で最も多い結果でした。一方で、予算や場所に制限がなければ欲しい仏壇は「台付きの家具調・モダン仏壇」が約4割でした。同社の2017年の調査では、選ぶときに最も重視した点を「サイズ」と答えた人が50%に上りました。

買う前に測っておくところ

  1. 置く場所の幅・奥行き・高さ。上置き型なら、のせる家具の天板の寸法と強さも確かめます。
  2. 扉を開いたときの幅。観音開きの扉は、開くと左右に張り出します。
  3. 前に座るスペース。お参りする人が座れるか、立って拝むかで高さが変わります。
  4. 入れるものの大きさ。本尊、位牌、過去帳、仏具が入るかを店で確かめます。

置き場所と向き

宗派の公式の説明は、方角よりも、落ち着いてお参りできる場所を選ぶことを重く見ています。

宗派 置き場所についての説明
天台宗 しきたりにこだわりすぎなくてよい。直射日光・湿気・火の始末がしにくい所は避ける
日蓮宗 南向きに置く「南面北座説」があるが、絶対的な決まりはない
浄土真宗本願寺派 北向きを気にするより、光の入り方で向きを決める。人がよく通る所は避ける
真宗大谷派 場所や方角にとらわれず、静かにお参りできる所を選ぶ

天台宗は、神棚と向かい合わせにしない、極端に高い所や低い所を避ける、という点にも気を配るとよいとしています。ろうそくや線香を使う場合は、カーテンなど燃えやすいものから離して置きます。

費用の目安(調査から)

仏壇の値段は、大きさ、材質、作り方で大きく変わります。調査主体と年がはっきりした数字は次のとおりです。

調査 結果
鎌倉新書「仏壇 購入実態調査2018」(433人) 購入額の平均33.6万円。購入前の予算の平均は30.2万円
鎌倉新書「お仏壇の全国消費者調査2017」(658人) 平均34万円。最も多い価格帯は5万〜15万円未満(24%)。最高は300万円
鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」(調査全体の回答2,000件) 仏壇にかかった費用の平均44.0万円(新しく買った費用と処分費用の合計)

2018年と2017年の調査は、同社の仏壇の情報サイトで店のクーポンを発行した人が対象です。編集部が調べた範囲では、同社の仏壇購入者の調査は2018年が公表された最新でした。2024年の調査では、都道府県別の平均が9.3万円から115.2万円まで大きくばらつきます。1県あたりの回答が30〜113件と少ないため、県ごとの差は目安にもなりにくい数字です。

本尊、位牌、仏具(香炉・花立て・ろうそく立てなど)が仏壇の値段に含まれるかは、店によって違います。見積もりでは、何が入っているかを確かめましょう。開眼法要のお礼についてはお布施の相場と渡し方にまとめています。

仏壇を迎えたら(開眼・入仏の法要)

新しい仏壇に本尊を迎えるときは、菩提寺に法要をお願いするのが一般的です。日本大百科全書は、開眼供養を、仏像などを新しく作ったときに魂を入れる儀式と説明しています。天台宗と日蓮宗も、仏壇や本尊を迎えたら菩提寺に開眼法要を頼むよう案内しています。

浄土真宗では考え方が違います。本願寺派は「入仏法要」と呼び、魂を入れるのではなく、本尊を迎えた喜びの法要だと説明しています。「お魂入れ」「お性根入れ」とは言わないとしています。真宗大谷派は「御移徙(おわたまし)」と呼び、地域によっては「お紐解き」とも言うそうです。

四十九日の法要で本位牌を仏壇に納める場合は、仏壇を迎える法要もあわせて頼めるかを、日程を決めるときに菩提寺に相談しておきましょう。

浄土真宗の仏壇で気をつけること

  • 位牌を置かない。本願寺派と大谷派は位牌を用いないと説明しています。亡くなった人の法名などは過去帳に記します。
  • 写真や好物を供えない。大谷派は、写真を飾ったり、酒やたばこなど故人の好物を供えたりはしないとしています。お札やお守りも一緒にまつりません。
  • 宗派名を店に伝える。大谷派は、宗派で仏壇の作りや仏具が違うので、仏壇店に宗派名を必ず伝えるよう案内しています。

古い仏壇を処分・買い替えるとき

買い替えや処分の前にも、菩提寺に相談します。処分の前に法要がいるかどうかは、宗派やお寺で考え方が違います。日蓮宗は、お墓の墓石を処分するときに「御霊抜き」の法要を営むよう案内しています。仏壇も同じように扱うかは、菩提寺に確かめてください。浄土真宗は、本尊に魂を入れるという考え方をとりません。

仏壇を引き取ってもらう方法は、仏壇店の引き取り、お寺での供養とお焚き上げ、自治体の粗大ごみなどがあります。自治体で出せるかどうかや料金は、お住まいの市区町村の「粗大ごみ」の案内で確かめてください。

よくある質問

仏壇はいつまでに買えばいいですか?

四十九日の法要で白木の位牌から本位牌に替え、仏壇に納めることが多いため、それまでに用意する家が多いです。ただし決まりはありません。浄土真宗本願寺派は、家族が亡くなったかどうかに関係なく求めるのがよいと説明しています。間に合わない場合は菩提寺に相談してください。

小さい仏壇でも問題ありませんか?

大きさに決まりはありません。真宗大谷派は、大きさや豪華さは問題ではないとし、家具の上に置ける掛け軸型や額装の本尊も案内しています。鎌倉新書の2018年の調査でも、購入した仏壇は上置き型のミニ仏壇が37.0%で最も多い結果でした。

仏壇の費用はどのくらいですか?

鎌倉新書の「仏壇 購入実態調査2018」では、購入額の平均は33.6万円でした。同社の2024年の葬儀の調査では、仏壇にかかった費用(新しく買った費用と処分費用の合計)の平均は44.0万円です。2017年の同社の調査では、最も多い価格帯は5万〜15万円未満で、最高は300万円でした。

仏壇は北向きに置いてはいけませんか?

宗派の公式の説明では、方角にこだわる必要はないとするものが目立ちます。日蓮宗は「南面北座説」があるとしつつ、安置場所に絶対的な決まりはないとしています。直射日光や湿気を避け、落ち着いてお参りできる場所を選びます。

仏壇を買ったら何をしますか?

多くの宗派では、菩提寺に頼んで開眼法要(お性根入れ)を営みます。浄土真宗本願寺派では「入仏法要」、真宗大谷派では「御移徙(おわたまし)」と呼び、魂を入れるという考え方はとりません。

出典・参考にした資料

  1. 【仏壇】<仏壇 購入実態調査 2018>お仏壇の平均購入価格は33.6万円株式会社鎌倉新書(2026-10-07 確認)
  2. お仏壇の全国平均購入価格は「34万円」(お仏壇の全国消費者調査2017)株式会社鎌倉新書(2026-10-07 確認)
  3. 2024最新!都道府県別の葬儀費用と介護・お墓・仏壇などの終活費用(第6回お葬式に関する全国調査)株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-07 確認)
  4. Q&A(仏壇について)天台宗(2026-10-07 確認)
  5. 真言宗の教え真言宗豊山派(2026-10-07 確認)
  6. はじめての浄土宗浄土宗(2026-10-07 確認)
  7. よくあるご質問(お仏壇・お位牌)浄土宗(2026-10-07 確認)
  8. よくあるご質問(お仏壇・入仏法要・位牌)浄土真宗本願寺派(2026-10-07 確認)
  9. お仏壇(お内仏)のこと真宗大谷派(2026-10-07 確認)
  10. ご本尊をお迎えする真宗大谷派(2026-10-07 確認)
  11. FAQ(お仏壇のまつり方)臨済宗黄檗宗連合各派合議所(臨黄ネット)(2026-10-07 確認)
  12. お仏壇のまつり方曹洞宗(曹洞禅ネット)(2026-10-07 確認)
  13. 仏事について(仏教・仏事のQ&A)日蓮宗(2026-10-07 確認)
  14. 臨済宗の仏事(オンライン版)臨済宗妙心寺派(2026-10-07 確認)
  15. お葬式のマナー:法要の進め方は?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  16. 49日・法事霊符山 尊星王院(2026-10-07 確認)
  17. 仏壇(日本大百科全書ほか)コトバンク(2026-10-07 確認)
  18. 開眼供養(日本大百科全書)コトバンク(2026-10-07 確認)

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