葬儀のあと

位牌とは 白木位牌と本位牌の違い・作る時期と文字入れの日数・宗派ごとの扱い

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 葬儀の白木位牌は仮のもの。四十九日の法要で本位牌に替える家が多いです。
  • 本位牌は文字入れに1週間〜10日ほどかかるので、早めに注文します。
  • 浄土真宗は位牌を用いず、法名などを過去帳に記すと説明しています。
目次
  1. 位牌とは
  2. 白木位牌と本位牌の違い
  3. 本位牌はいつまでに作るか
  4. 注文する前に確かめる文字
  5. 宗派ごとの位牌の扱い(早見表)
  6. 浄土真宗では位牌を使わない
  7. 位牌が増えたとき(繰り出し位牌など)
  8. 白木位牌と古い位牌のその後
  9. 神式・キリスト教式の場合

位牌(いはい)は、亡くなった人の戒名(浄土真宗では法名)や亡くなった日などを書いた木の札です。葬儀では白木(しらき)の位牌を使い、四十九日の法要で漆塗りなどの本位牌に替えて仏壇に納める家が多いです。本位牌は文字を入れるのに1週間から10日ほどかかるとされるので、法要の1か月前を目安に注文すると安心です。

ただし、浄土真宗では位牌を用いず、過去帳に記すと説明されています。この記事では、位牌の種類、作る時期、注文前に確かめる文字、宗派ごとの扱いをまとめました。仏式の場合を中心に、神式の「霊璽(れいじ)」にも触れます。

位牌とは

位牌は、故人をまつるための木の札です。デジタル大辞泉は、禅宗の僧によって中国から伝わり、江戸時代に一般に広まったと説明しています。世界大百科事典によると、もとは儒教で使われた「神主(しんしゅ)」という札にあたるものです。庶民の家で作られるようになったのは、元禄のころ以降とされます。

日本大百科全書は、位牌を大きく3つに分けています。

種類 どんなものか 置く場所
野位牌(白木位牌) 亡くなってすぐ作る白木の札 葬儀の祭壇、四十九日までの祭壇
内位牌(本位牌) 白木の位牌から作り替える塗りの札 家の仏壇
寺位牌 家の位牌とは別に作って寺に預ける札 菩提寺や本山

家でまつるのは、白木位牌と本位牌の2つです。日本大百科全書は、寺位牌は信仰の厚い家などが別に作るものだとしています。

白木位牌と本位牌の違い

葬儀で使う白木位牌は、四十九日までの仮のものです。浄土宗は、四十九日までまつる「仮位牌」と、仏壇にまつる正式な「本位牌」があると説明しています。

項目 白木位牌(仮位牌) 本位牌(塗り位牌など)
使う時期 葬儀から忌明けまで 忌明けから仏壇でずっと
文字 僧侶などが墨で書く 仏壇店などで彫るか書き入れる
用意する時 葬儀の準備のとき 忌明けに間に合うよう注文
その後 お焚き上げなど。菩提寺に相談 仏壇に安置する

白木位牌を使う期間には地域差があります。臨済宗妙心寺派の冊子は、四十九日の忌明け、もしくは一周忌までの間、仮の位牌として使うとしています。世界大百科事典も、本位牌に替える時期を「四十九日ないし一〜三年忌」と書いています。お住まいの地域の習わしは、菩提寺に聞くのが確実です。

本位牌はいつまでに作るか

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、四十九日の法要で白木の位牌を塗り位牌に替え、僧侶に供養してもらって仏壇に納めると説明しています。このため、四十九日に間に合うよう本位牌を用意する家が多いです。

本位牌は、戒名などの文字を入れて仕上げるのに日数がかかります。霊符山尊星王院は、作るのに1週間から10日ほどかかると案内しています。店の混み具合や、文字の確認のやりとりでさらに延びることもあります。

四十九日から逆算した準備の目安

時期 やること
葬儀のあと 白木位牌の文字を写真に撮っておく
四十九日の1か月半前まで 菩提寺に法要を頼み、位牌の扱いも聞く
四十九日の1か月前まで 仏壇店などで本位牌を注文する
四十九日の1週間前まで 仕上がった位牌の文字を確かめる
四十九日の法要 本位牌の開眼(魂入れ)をしてもらう

四十九日の日付は法要日程の計算ツールで出せます。法要全体の準備は四十九日法要の準備と当日の流れにまとめています。

ポイント

四十九日の法要の日を、四十九日の当日より前の土日などに繰り上げることがあります。注文の締め切りは、実際に法要を営む日から逆算してください。

注文する前に確かめる文字

位牌に何を書くかは、辞典や宗派の説明でおおむね共通しています。浄土宗は、法名(戒名)、俗名、命日、行年(享年)を記すとしています。注文の前に、次の表で一つずつ確かめておくと間違いを防げます。

項目 確かめること 確かめる先
戒名(法名) 一字ずつの字体。旧字か新字か 白木位牌、菩提寺
俗名 生前の名前の正しい字 戸籍や住民票の写しなど
亡くなった日 和暦か西暦か。月日 死亡届の控えなど
年齢 「行年」か「享年」か。満か数えか 菩提寺

表と裏のどちらに何を書くか、年齢を満年齢と数え年のどちらで書くかは、宗派や地域、お寺によって違います。白木位牌の表と裏を写真に撮っておき、それをもとに店と菩提寺に確かめると間違いが起きにくくなります。

夫婦の戒名を一つの位牌に並べて書く「連名」の位牌もあります。日本大百科全書によると、一方がまだ存命の場合は、その人の分を朱色の字にしておくそうです。戒名の頭に「新帰元(しんきげん)」と書く習わしもあります(臨済宗妙心寺派)。新しく作る本位牌にこの字を入れるかどうかも、菩提寺に聞いておくと安心です。

注意

戒名の字は、誤りがあると作り直しになります。仏壇店から仕上がりの見本(校正)が出たら、白木位牌と一字ずつ見比べてください。戒名そのものの意味や決め方は戒名とはにまとめています。

宗派ごとの位牌の扱い(早見表)

各宗派の公式サイトや冊子の説明を、編集部が一つの表にまとめました。「―」は、公式の説明で確かめられなかった項目です。菩提寺に確かめてください。

宗派 位牌 並べ方・まとめ方 迎えるとき
天台宗 用いる 中段の左右に置く。住まいに合わせて臨機に ―
浄土宗 用いる(白木の仮位牌と本位牌) ― ―
臨済宗・黄檗宗 用いる 本尊の一段下に、向かって右から古い順 ―
曹洞宗 用いる 本尊の左右。古いものは向かって右。繰り出し位牌などにまとめられる ―
日蓮宗 用いる 増えたら古い順に過去帳へ 開眼法要
浄土真宗本願寺派 用いない(過去帳に記す) 過去帳は中段の脇か下段に ―
真宗大谷派 用いない 四十九日までは中陰壇に法名と遺骨 ―

(天台宗・浄土宗・臨済宗妙心寺派・臨済宗黄檗宗連合各派合議所・曹洞宗・日蓮宗・浄土真宗本願寺派・真宗大谷派の公式サイトと冊子をもとに作成。2026年10月8日確認)

真言宗については、宗派の公式サイトで位牌のまつり方の説明を確かめられませんでした。真言宗豊山派の寺院(宝性寺)は、四十九日に本位牌を用意したら開眼法要を営み、白木の位牌はお焚き上げすると案内しています。

浄土真宗では位牌を使わない

浄土真宗本願寺派は、位牌を用いないとはっきり説明しています。位牌はもともと中国の儒家で使われ、官位と名前を書いた札に神霊が宿ると考えられていたものだからです。かわりに、亡くなった人の法名・俗名・亡くなった年月日などを過去帳に記します。過去帳の前に、水や食べ物は供えません。

真宗大谷派も、お内仏(仏壇)に位牌を置かず、写真や故人の好物も供えないとしています。四十九日(満中陰)までは、お内仏の近くに「中陰壇」という壇を設け、法名と遺骨を安置します。満中陰の法要が済んだら中陰壇を片付けます。

補足

浄土真宗の家で何を用意し、何を置かないかは、手次ぎのお寺(お付き合いのあるお寺)に確かめるのが確実です。葬儀や法要の準備を葬儀社に頼むときも、宗派名を伝えておきます。

位牌が増えたとき(繰り出し位牌など)

代を重ねると、仏壇に位牌が並びきらなくなります。宗派の説明では、次のような方法が紹介されています。

  1. 繰り出し位牌にまとめる。薄い札を何枚も重ねて一つの箱に納め、命日の人の札をいちばん前に出す形の位牌です(日本大百科全書)。曹洞宗が案内しています。
  2. 「○○家先祖代々」の位牌にまとめる。曹洞宗は、合同牌や先祖代々の位牌にまとめられるとしています。
  3. 過去帳に移す。日蓮宗は、古い先祖から順に過去帳に記し、本尊の一段下の中央に過去帳、両脇に新しい位牌を置くよう説明しています。

どの方法でも、まとめる前に菩提寺に相談します。古い位牌をどう納めるかも、そのときに聞いておきます。

白木位牌と古い位牌のその後

本位牌に替えたあとの白木位牌は、お焚き上げ(寺で供養して焼くこと)をしてもらう例があります。真言宗豊山派の宝性寺は、白木の位牌はお焚き上げするよう案内しています。扱いは宗派や寺で違うので、四十九日の法要に白木位牌を持参してよいか、事前に菩提寺に確かめておくと当日あわてません。

世界大百科事典によると、かつては三十三回忌を過ぎると位牌を焼いたり寺に納めたりして、一人ずつのおまつりを終える習わしがありました。これは慣習の一つです。いつまで位牌をまつるかに決まりはないので、家族と菩提寺で相談して決めてかまいません。

神式・キリスト教式の場合

神式では、位牌にあたるものを「霊璽(れいじ)」と呼びます。神社本庁によると、故人の御霊(みたま)を白木の霊璽に移し、仏壇にあたる「祖霊舎(それいしゃ)」に納めてまつります。霊璽の扱いは、葬儀をお願いした神社に相談してください。

キリスト教式では、記念のしかたが教会によって違います。所属する教会に相談してください。

仏壇の選び方や置き場所は仏壇の選び方に、法要のお礼の包み方はお布施の相場と渡し方にまとめています。

よくある質問

本位牌はいつまでに用意すればいいですか?

四十九日の法要で白木位牌から本位牌に替えることが多いので、それに間に合うように用意する家が多いです。文字入れに1週間から10日ほどかかるという寺院の案内もあり、法要の1か月前までに注文すると余裕があります。白木位牌を一周忌まで使う地域もあるので、菩提寺に確かめてください。

浄土真宗では位牌を作らないのですか?

浄土真宗本願寺派と真宗大谷派は、どちらも位牌を用いないと説明しています。亡くなった人の法名・俗名・亡くなった年月日などは過去帳に記します。ただ、地域やお寺によって扱いが違うこともあるので、手次ぎのお寺に確かめると安心です。

白木位牌は本位牌に替えたあとどうしますか?

寺でお焚き上げをしてもらう例があります。扱いは宗派や寺で違うので、四十九日の法要に白木位牌を持って行ってよいか、どう扱うかを菩提寺に聞いておきます。

位牌が増えて仏壇に並ばないときは?

曹洞宗は、薄い札を重ねて納める「繰り出し位牌」や、「○○家先祖代々」の位牌にまとめる方法を案内しています。日蓮宗は、古い先祖から順に過去帳に記していくよう説明しています。まとめる前に菩提寺に相談します。

出典・参考にした資料

  1. 位牌(デジタル大辞泉・日本大百科全書・世界大百科事典ほか)コトバンク(2026-10-08 確認)
  2. よくあるご質問(お位牌ってなんですか?)浄土宗(2026-10-08 確認)
  3. 臨済宗の仏事(オンライン版)臨済宗妙心寺派(2026-10-08 確認)
  4. お葬式のマナー:法要の進め方は?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  5. お仏壇のまつり方曹洞宗(曹洞禅ネット)(2026-10-08 確認)
  6. FAQ(お仏壇のまつり方)臨済宗黄檗宗連合各派合議所(臨黄ネット)(2026-10-08 確認)
  7. Q&A(仏壇について)天台宗(2026-10-08 確認)
  8. 仏事について(仏壇についてのQ&A)日蓮宗(2026-10-08 確認)
  9. よくあるご質問(位牌を用いない!)浄土真宗本願寺派(2026-10-08 確認)
  10. お仏壇(お内仏)のこと真宗大谷派(2026-10-08 確認)
  11. 葬儀・法事・お墓のこと(中陰)真宗大谷派(2026-10-08 確認)
  12. ご法要(四十九日・本位牌の開眼)真言宗豊山派 宝性寺(2026-10-07 確認)
  13. 49日・法事霊符山 尊星王院(2026-10-08 確認)
  14. 神葬祭神社本庁(2026-10-08 確認)

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