仏壇のりん(おりん)の鳴らし方 回数とタイミング、宗派ごとの違い
この記事の要点
- りんを鳴らす回数は、すべての宗派に共通する決まりはありません。宗派ごとに考え方が違います。
- 曹洞宗は拝む前と後に3回ずつ。真宗大谷派は、お勤めの合図に打つもので座るたびには鳴らしません。
- 迷ったら、家の宗派の本山のサイトか菩提寺で確かめます。決まりがなければ静かに鳴らせば十分です。
仏壇のりん(おりん)を鳴らす回数に、すべての宗派に共通する決まりはありません。曹洞宗は、お参りの初めと終わりに3回ずつ鳴らすと案内しています。真宗大谷派は、りんはお勤め(読経)の合図に打つもので、仏壇の前に座るたびに鳴らすものではないとしています。
つまり、「何回が正しいか」は家の宗派で変わります。この記事では、各宗派の公式サイトで確かめた説明を早見表にまとめました。公式サイトに回数が書かれていない宗派もあるので、その場合の確かめ方も書いています。仏式の場合の話です。
りん(おりん)とは
りんは、読経のときに撥(ばち)で縁を打って鳴らす、鉢の形をした金属の仏具です。辞典では「磬(きん)」の項目で説明され、小さいものを「鈴(りん)」と呼ぶとされます。元の時代の中国の禅宗で使い始めたもので、禅寺では儀式の合図や、お経の区切りを取る道具でした。
呼び名はいくつもあります。「おりん」「鈴」「鏧(きん)」「磬子(けいす)」「打ち鳴らし」などで、宗派や大きさ、材質で呼び分けることもあります。どれも同じ系統の仏具です。
もとは「合図の道具」だったことを知っておくと、宗派ごとの考え方の違いがわかりやすくなります。
宗派ごとの鳴らし方の早見表
各宗派・団体の公式サイトで、りんについて書かれていることをまとめました。「書かれていない」は、確かめたページに説明が見当たらなかったという意味で、鳴らしてはいけないということではありません。
| 宗派 | 鳴らす回数・タイミング | 置き場所 |
|---|---|---|
| 曹洞宗 | 線香を供えたあとに3回、おとなえの後に3回 | ふだんは下段か引き出し。木魚があれば右に木魚・左にリン、リンだけなら右 |
| 真宗大谷派 | お勤めの始まり・区切り・終わりの合図に打つ。座るたびには鳴らさない | ふだんは仏壇の中。お勤めのときは経机の右側 |
| 天台宗 | 回数は書かれていない | 経机に、経本・線香・念珠などと用意する |
| 浄土真宗本願寺派・浄土宗・日蓮宗・臨済宗 | 公式サイトのよくある質問・おつとめの案内には書かれていない | 書かれていない |
(各宗派・団体の公式サイトをもとに作成。2026年10月26日確認)
補足
真言宗の各派は、本山の公式サイトで、家庭でのりんの鳴らし方の案内を見つけられませんでした。お寺や地域で作法が違うこともあるので、菩提寺に聞いてください。
曹洞宗の手順(日々のおとなえ)
曹洞宗の公式サイト「曹洞禅ネット」は、毎日のお参りを次の順で案内しています。
- 朝食の前に、ご飯・お水・お茶を供え、花の水を替えます。
- 姿勢を正し、呼吸を整えます。
- ろうそくに火をつけ、線香を供えます。
- リンを3回鳴らします。
- 合掌して一礼します。
- 合掌したまま「南無釈迦牟尼仏」などととなえます。
- となえ終わったら、リンを3回鳴らし、合掌したまま一礼します。
真宗大谷派の考え方
真宗大谷派は、仏壇の前に座ったら、まず鈴を打つ人がいるとしたうえで、それは本来の使い方ではないと説明しています。鈴は、お寺でお勤めの始まりや区切り、終わりに打つ合図です。家庭でも、お勤めのときにだけ打ちます。
お勤めをせず、手を合わせて「南無阿弥陀仏」ととなえるだけなら、打たなくてよいということになります。
迷ったときの鳴らし方
家の宗派の決まりがわからないときは、次のように考えると落ち着いてお参りできます。
- 家の宗派を確かめる。わからなければ、仏壇の本尊や位牌の形、葬儀を頼んだお寺から探れます。調べ方は仏壇の選び方の本尊の早見表が手がかりになります。
- 本山の公式サイトを見る。宗派名と「お仏壇」「おつとめ」で検索すると、本山のページが見つかります。
- 書かれていなければ菩提寺に聞く。法要の打ち合わせのついでに「家でりんは何回鳴らせばいいですか」と聞けば十分です。
- それでも決まりがなければ、静かに鳴らす。大きく何度も打つより、1回ずつ響きが消えるのを待つほうが、合図としてわかりやすくなります。
ポイント
真宗大谷派のように、お勤めのとき以外は打たないとする宗派もあります。お経を読まずに手を合わせるだけなら、鳴らさなくてもかまいません。
置き場所と撥(ばち)の扱い
置き場所も宗派で違います。共通しているのは、ふだんはしまっておき、お参りのときに使いやすい場所へ出すという考え方です。
- 曹洞宗:お経本や数珠と同じく、仏壇の下段か引き出しに置きます。木魚と並べるときは、右に木魚・左にリンです。
- 真宗大谷派:ふだんは仏壇の中に置き、お勤めのときに経机の右側へ出します。
- 天台宗:経机に、経本・香炉・線香・念珠と一緒に用意するのが丁寧だとしています。
撥は、使わないときにりんの中へ納めておくよう、真宗大谷派が案内しています。小さい仏壇では撥が転がり落ちやすいので、置き場所を決めておくと安心です。
りんの選び方
りんの大きさや材質について、宗派の公式な決まりは見当たりません。仏壇の大きさと、置く場所の広さとのつり合いで選びます。
| 確かめること | 見るポイント |
|---|---|
| 置く場所 | 下段や経机に、撥と一緒に置ける広さがあるか |
| りん台・りん布団 | りんがすべらず、音がこもりすぎないか |
| 宗派の仏具 | 木魚など、ほかに並べる仏具があるか |
| 音 | 小さい家なら、響きがやさしいものが落ち着く |
仏具店で選ぶときは、家の宗派と仏壇の内寸を伝えると、合うものを出してもらえます。小さい仏壇にそろえる仏具は小さい仏壇の選び方にまとめています。
法要のときのりん
四十九日や一周忌などの法要で僧侶が読経するときは、りんなどの鳴らし物の扱いは僧侶に任せます。家族は合掌して読経を聞きます。家のりんを使うか、法要の前に僧侶に聞いておくと当日あわてません。
法要の準備は四十九日法要の準備、数珠の持ち方は数珠の選び方と持ち方をご覧ください。
補足
地域や家の習わしで、りんを鳴らす回数が決まっていることもあります。親族の年長者や菩提寺のやり方に合わせるのがいちばん穏やかです。
よくある質問
仏壇のりんは何回鳴らすのが正しいですか?
すべての宗派に共通する回数はありません。曹洞宗は、お参りの初めと終わりにリンを3回ずつ鳴らすと案内しています。真宗大谷派は、鈴はお勤め(読経)の合図に打つもので、座るたびに鳴らすものではないとしています。家の宗派の考え方を菩提寺に聞くのが確実です。
手を合わせるだけのときも、りんを鳴らしますか?
宗派によります。真宗大谷派は、お勤めのとき以外には打たないとしています。曹洞宗は、短いおとなえでも前後に3回ずつ鳴らす手順を示しています。決まりのない家なら、鳴らさずに手を合わせてもかまいません。
りんはどこに置けばいいですか?
曹洞宗は、ふだんは仏壇の下段か引き出しに置き、木魚があれば木魚を右・リンを左、リンだけなら右に置くとしています。真宗大谷派は、ふだんは仏壇の中に置き、お勤めのときは経机の右側に出して打つとしています。
りんの撥(ばち)は、使わないときどうしますか?
真宗大谷派は、使わないときは撥をりんの中に納めておくよう案内しています。撥を立てかけたままにしないでおくと、落としたり、なくしたりしにくくなります。
浄土真宗では、りんを鳴らしてはいけないのですか?
鳴らしてはいけないわけではありません。真宗大谷派は、お勤めの始まりや区切り、終わりの合図に打つものとしています。お勤めをせずに手を合わせるだけなら、打たなくてよいということです。本願寺派の作法は、手次寺(菩提寺)に確かめてください。
出典・参考にした資料
- お仏壇(お内仏)のこと真宗大谷派(東本願寺)(2026-10-26 確認)
- お仏壇のまつり方曹洞宗(曹洞禅ネット)(2026-10-26 確認)
- Q&A(仏壇の祀り方について教えて下さい)天台宗(2026-10-26 確認)
- よくあるご質問浄土真宗本願寺派(2026-10-26 確認)
- 毎日のおつとめ浄土宗(2026-10-26 確認)
- よくあるご質問浄土宗(2026-10-26 確認)
- 仏事について(仏教・仏事のQ&A)日蓮宗(2026-10-26 確認)
- FAQ臨済宗黄檗宗連合各派合議所(臨黄ネット)(2026-10-26 確認)
- 磬(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典・世界大百科事典・ブリタニカ国際大百科事典)コトバンク(2026-10-26 確認)



