葬儀のあと

喪中とは 期間と範囲の目安、忌中との違い、控えるとされることと正月

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 喪中は身内を亡くした人が慎んで過ごす期間。一周忌のころまでとすることが多いです。
  • 忌中はそのうち特に慎む期間で、仏式は四十九日、神式は五十日祭までが目安です。
  • 控えることに法律の決まりはありません。神社参拝は忌の50日を過ぎればよいとされます。
目次
  1. 喪中とは
  2. 喪中と忌中の違い
  3. 喪中の期間は昔と今でどう変わったか
  4. 喪中の範囲(誰が亡くなったら喪中か)
  5. 控えるとされることと、その根拠
  6. 亡くなった時期と正月の過ごし方
  7. 喪中の区切りと、そのあと

喪中(もちゅう)は、身内を亡くした人が、故人をしのんで身を慎んで過ごす期間です。法律の決まりはなく、亡くなってから1年ほど、一周忌のころまでとすることが多いとされます。そのうち特に慎む期間を忌中(きちゅう)といい、仏式では四十九日、神式では五十日祭までが目安です。

喪中に何を控えるかも、法律では決まっていません。この記事では、喪中と忌中の違いと、昔の決まりから今の忌引きまでの日数を比べた表をまとめました。控えるとされることとその根拠、亡くなった時期ごとの正月の過ごし方も説明します。喪中はがきの出し方は喪中はがきの出し方をご覧ください。

喪中とは

辞典では、喪中は「喪に服している期間」と説明されています。喪に服する(服喪)とは、近親者が亡くなったあと一定の期間、行いを慎むことです。

日本大百科全書によると、喪はもともと、死の穢れ(けがれ)に対して忌み慎む状態を指しました。一定の期間は仕事を休み、神前や晴れがましい場所に出ず、家にこもったとされます。今は、喪中の人は年賀状を出さず、年賀欠礼のあいさつ状や寒中見舞いを出す形が一般的です。

喪中と忌中の違い

神社本庁は、身内が亡くなったときに喪に服すことを「服忌(ぶっき)」と呼び、2つの期間に分けて説明しています。

項目 忌(忌中) 服(喪中)
意味 故人の祭りに専念する期間 故人を悼む気持ちを表す期間
期間の目安(神式) 五十日祭まで 一年祭(一周忌)まで
期間の目安(仏式) 四十九日まで 一周忌のころまで
区切りの行事 四十九日法要・五十日祭 一周忌・一年祭

(神社本庁「服忌について」、デジタル大辞泉をもとに作成)

デジタル大辞泉は、忌中を「普通は死後49日間」としています。神社本庁は、地域に慣例があればそれに従い、特になければ五十日祭までを「忌」、一年祭までを「服」とするのが一般的だとしています。四十九日の日付は四十九日の数え方、一周忌の準備は一周忌の準備と当日の流れで確かめられます。

喪中の期間は昔と今でどう変わったか

喪や忌の長さは、時代によって大きく変わってきました。辞典と法令に残る日数を、続柄ごとに並べました。

亡くなった人 明治7年の服忌令(忌・服) 神社本庁「神職服忌心得」(忌) 国家公務員の忌引き
父母 忌50日・服13か月 10日 7日
夫 忌30日・服13か月 10日 7日
妻 忌20日・服90日 10日 7日
子 ― 10日 5日
祖父母 忌30日・服150日 5日 3日
兄弟姉妹 忌20日・服90日 5日 3日
孫 ― 5日 1日
おじ・おば 忌20日・服90日 ― 1日

(日本大百科全書「忌服」、人事院規則15-14別表第二をもとに作成。2026年10月8日確認。「―」は資料で確かめられなかった項目)

表の見方を補足します。

  • 服忌令(ぶっきりょう):江戸幕府が1684年に定めた、喪に服す期間の決まりです。明治政府は1874年(明治7年)にこの武家の決まりを使うことにしました。辞典によると、民法ができてからは法としての意味を失い、今は制度として行われていません。
  • 神職服忌心得:神社本庁が1948年に神職向けに出した心得です。忌の期間を大きく縮め、服の期間は本人の心得に任せるとしました。
  • 国家公務員の忌引き:人事院規則が定める休暇の日数です。民間の会社の忌引きは、それぞれの就業規則で決まります。詳しくは忌引きの日数をご覧ください。

日本大百科全書は、昔は喪の長さが親子100日、兄弟49日、いとこ7日のように、血縁の近さで違ったと紹介しています。服忌令でも、父母の喪が最も長く、親族が遠くなるほど短くなっていました。

喪中の範囲(誰が亡くなったら喪中か)

誰が亡くなったら喪中とするかに、法律の決まりはありません。喪中はがきでは、配偶者と2親等(父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫など)までを目安とすることが多いとされます。親等の数え方は、喪中はがきの出し方の早見表をご覧ください。

上の表のように、昔の服忌令にはおじ・おばまで日数が定められていました。一方、今の忌引きでは、おじ・おばは1日です。同居していたか、どれだけ親しかったかで、家族で決めてかまいません。

控えるとされることと、その根拠

喪中に控えるとされることを、根拠のある資料とあわせてまとめました。どれも法律の決まりではありません。

控えるとされること 資料に書かれていること
年賀状 喪中の人は年賀状を出さず、年賀欠礼のあいさつ状を出す(日本大百科全書)
神社への参拝 忌の期間は控える。50日を過ぎれば差し支えない(神社本庁)
神棚のおまつり 忌の期間は半紙を貼るなどして一時やめる(神社本庁)
正月行事 49日までに正月が来れば行わない例がある(日本大百科全書)
祝いごと・婚礼 江戸時代の服忌令では、忌中は祝いや嫁取りを慎んだ(日本大百科全書)

神社本庁は、忌の期間中にやむを得ず神社に参拝する場合は、お祓いを受けてから参拝するとよいとしています。神棚については、身内が亡くなったら喪主がまず神棚に報告し、そのあと半紙を貼るなどしておまつりを控えるそうです。

地域や宗教で違うこと

  • 地域の習わし:日本大百科全書によると、山形・新潟・長野・群馬・神奈川の各県には、家の入口の外に忌中の目印を立てる所があります。宮城県本吉郡では、7日目に忌中ばらいをする例が紹介されています。地域のしきたりは地域で違う葬儀のしきたりにもまとめています。
  • 浄土真宗:真宗大谷派は、死を穢れとして清め塩を使うことなどは迷信にすぎないとしています。忌中に何を控えるかは、手次ぎのお寺に相談してください。
  • キリスト教:全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)によると、キリスト教は死を永遠の生命と考えるので、忌中や忌明けの考え方はありません。

補足

「控えるべきこと」は、家や地域、宗教によって大きく違います。親族の年長者や菩提寺に聞きながら、家族が無理なく過ごせる形を選んでかまいません。

亡くなった時期と正月の過ごし方

年末年始は、喪中であることを意識する機会が多い時期です。神社本庁と日本大百科全書の説明をもとに、亡くなった時期ごとに整理しました。

時期 神社・神棚 年賀状 正月行事
亡くなって50日以内に正月 初詣は控える。お神札は忌明け後に 出さない 行わない例がある
50日を過ぎ、一周忌より前 参拝してよいとされる 出さず、喪中はがき 地域や家で違う
一周忌のあと 通常どおり 喪が明けたら通常どおり 通常どおり

(神社本庁「服忌について」、日本大百科全書「喪」をもとに作成。仏式の家では「50日」を四十九日と読み替えてください)

神社本庁は、神棚のお神札は本来毎年新しいものに替えるものだとしています。年末年始が忌の期間と重なる場合は、忌明けのあとに新しいお神札を受けるよう案内しています。日本大百科全書は、亡くなってしばらくたっている場合、年の暮れに親族で食事をして年越しを済ませ、普通の正月を迎える例もあると紹介しています。

年賀状が届いたら

喪中に年賀状が届いたら、松の内が明けてから寒中見舞いで返事をします。12月に亡くなって喪中はがきが間に合わなかった場合も、寒中見舞いで知らせる方法があります。文例と日程は喪中はがきの出し方にまとめています。

喪中の区切りと、そのあと

喪中は、一周忌(神式では一年祭)を区切りとすることが多いです。全互協は、施主の家は一周忌までは法要で喪服を着るとしています。一周忌を終えたら、ふだんの暮らしに少しずつ戻っていきます。三回忌から先の年忌法要の年は一周忌・三回忌・七回忌はいつ?で確かめられます。

よくある質問

喪中はいつまでですか?

法律の決まりはありません。神社本庁は、特に地域の慣例がなければ一年祭(一周忌)までを「服」の期間とするのが一般的だとしています。仏式でも、一周忌のころまでを喪中とすることが多いとされます。

喪中と忌中はどう違いますか?

忌中は、喪中のなかでも特に身を慎む期間です。辞典では忌中は普通、死後49日間とされ、神社本庁は五十日祭までを「忌」としています。喪中は、それを含めて一周忌のころまでの、故人をしのんで過ごす期間です。

喪中に初詣に行ってもいいですか?

神社本庁は、忌の期間(特に慣例がなければ五十日祭まで)は神社の参拝を控え、50日を過ぎれば参拝しても差し支えないとしています。忌の期間中にやむを得ず参拝する場合は、お祓いを受けてからがよいそうです。お寺へのお参りについては、菩提寺に相談してください。

喪中は何親等までですか?

法律の決まりはありません。喪中はがきでは、配偶者と2親等(父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫など)までを目安とすることが多いとされます。同居の有無や付き合いの深さで、家族で決めてかまいません。

喪中に結婚式をしてはいけませんか?

今は法律や公的な決まりはありません。江戸時代の服忌令では、忌中は嫁取りなどを慎むとされていました。日取りは、家族や相手方と相談して決めます。招かれた場合も、相手と相談してかまいません。

出典・参考にした資料

  1. 喪中・服喪・忌中(デジタル大辞泉・日本大百科全書)コトバンク(2026-10-08 確認)
  2. 忌中(デジタル大辞泉・日本大百科全書)コトバンク(2026-10-08 確認)
  3. 喪(日本大百科全書ほか)コトバンク(2026-10-08 確認)
  4. 忌服(日本大百科全書ほか)コトバンク(2026-10-08 確認)
  5. 服忌令(日本国語大辞典・世界大百科事典・山川日本史小辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  6. 服忌について神社本庁(2026-10-08 確認)
  7. よくあるご質問(FAQ)神社本庁(2026-10-08 確認)
  8. 人事院規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)別表第二e-Gov法令検索(2026-10-08 確認)
  9. 葬儀・法事・お墓のこと(迷信に惑わされることなく)真宗大谷派(2026-10-08 確認)
  10. FAQ(中陰が三ケ月にまたがると、よくないのですか?)臨済宗黄檗宗連合各派合議所(臨黄ネット)(2026-10-08 確認)
  11. お葬式のマナー:法要の進め方は?(キリスト教と忌明け)一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  12. お葬式のマナー:法要に招かれたらどうする?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)

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