葬儀のあと

葬儀のお礼は誰にいつ何を 僧侶・世話役・近所・会社への渡し方早見表

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • お寺へのお礼は葬儀のあと日を置かずに。御車代・御膳料はその日に別の封筒で渡します。
  • 世話役には1人5,000〜10,000円を同じ額で。近所へは遅くとも初七日までに挨拶に回ります。
  • 公営の火葬場の多くは、職員への心付けを受け取らないと公式に案内しています。
目次
  1. 相手別:葬儀のお礼の早見表
  2. 僧侶(お寺)へのお礼
  3. 世話役・手伝いの人へのお礼
  4. 近所への挨拶回り
  5. 故人の勤め先へのお礼と手続き
  6. 弔電・供花・香典をくれた人へのお礼
  7. 火葬場の職員に心付けは要る? 公式の案内で確かめた結果
  8. お礼の費用と相続税
  9. 地域で違うこと
  10. 迷ったときの相談先

葬儀のお礼は、相手によって時期と渡すものが違います。お寺へのお布施は葬儀のあと日を置かずに訪ねて渡し、御車代と御膳料はその日に別の封筒で渡します。受付などを手伝ってくれた世話役には、1人5,000〜10,000円を同じ額で包むのが目安です。

近所への挨拶回りは、遅くとも初七日までに済ませます。会葬してくれた一般の人には、当日の会葬礼状がお礼になります。この記事では、相手ごとのお礼を早見表にまとめ、火葬場の職員に心付けが要るかどうかを各地の公式の案内で確かめました。仏式の場合を中心に書いています。

相手別:葬儀のお礼の早見表

目安の金額は、全日本冠婚葬祭互助協会のマナー案内によるものです。地域や家の付き合いで差があります。

相手 いつ 何を 目安
僧侶(お寺) 葬儀のあと、日を置かずに訪ねる お布施 寺や地域で差がある
僧侶(当日) 通夜・葬儀のその日 御車代・御膳料 御車代3,000〜5,000円、御膳料1万円程度
世話役・受付・接待係 葬儀が終わったとき 現金(御車代) 1人5,000〜10,000円
世話役代表 葬儀が終わったとき 現金か菓子折 10,000〜20,000円
特に手伝ってくれた近所の人 挨拶回りのとき 品物 2,000〜3,000円程度
近所(自宅で葬儀をした場合など) 遅くとも初七日まで 挨拶 品物は必須ではない
故人の勤め先 人事担当と日時を決めて 挨拶と手続き 金品より挨拶が中心
弔電・供花・香典をくれた人 葬儀が済んでから お礼状・香典返し 香典返しを参照
一般の会葬者 葬儀の当日 会葬礼状と返礼品 改めての訪問は不要

ポイント

葬儀の規模が小さく、手伝いを頼んでいない家族葬なら、世話役への謝礼は要りません。お寺へのお礼と、自宅に人や車が出入りした場合の近所への挨拶は、規模にかかわらず考えておきます。

僧侶(お寺)へのお礼

お布施は葬儀のあとに訪ねて渡す

全日本冠婚葬祭互助協会は、読経や戒名へのお礼はすべて「お布施」として包み、葬儀のあとに遺族がお寺を訪ねて渡すのが本来の形だとしています。日を置かずに訪ねるのがよいとされます。

葬儀の当日に渡すか後日に伺うかは、お寺や地域で考え方が違います。葬儀の打ち合わせのときに、僧侶か葬儀社に聞いておくと迷いません。

  1. 葬儀のあと数日のうちに、喪主か遺族がお寺に連絡し、伺う日を決めます。
  2. お布施は白い封筒か奉書紙に包み、表書きは「御布施」とします。「読経料」「戒名料」とは書きません。
  3. 切手盆か袱紗(ふくさ)にのせ、葬儀を無事に終えたお礼を述べて渡します。

金額の考え方や地方別の調査は、お布施の相場と渡し方にまとめています。金額がわからないときは、葬儀社に地域の様子を聞くか、僧侶に直接たずねてかまわないとされています。

御車代と御膳料はその日に渡す

僧侶に来てもらったときの交通費が「御車代」、通夜ぶるまいや会食を辞退されたときに包むのが「御膳料」です。全日本冠婚葬祭互助協会の目安は、御車代が3,000〜5,000円、御膳料が1万円程度です。

この2つは、お布施とは別の封筒にして、その日のうちに渡します。僧侶の側に不幸があったわけではないので、水引のない白い封筒を使います。

補足

真宗大谷派も、お礼の表書きは「御布施」とし、読経の代金ではないと説明しています。神式やキリスト教式では、表書きや渡し方の考え方が違います。神社や教会に、どのように包めばよいかを直接たずねるのが確かです。

世話役・手伝いの人へのお礼

受付・会計・接待などを引き受けてくれた人には、葬儀が終わった時点でお礼を渡します。全日本冠婚葬祭互助協会の目安は次のとおりです。

  • 世話役(受付・接待など):1人5,000〜10,000円。表書きは「御車代」。担当した係で差をつけず、全員同じ額にします。
  • 世話役代表:10,000〜20,000円。代表が喪主より目上の人なら、現金より菓子折などの品物のほうが失礼になりません。
  • 特に手伝ってくれた近所の人:2,000〜3,000円程度の品物を、挨拶回りのときに持って行きます。

お金を預けていた世話役からは、精進落とし(葬儀後の会食)が終わったら、なるべく早く事務を引き継ぎます。引き継ぐのは、香典と香典帳、芳名帳、供物の記録、弔辞・弔電、出納帳と領収書、残ったお金です。お金に関わるものは、その場で一緒に確かめます。

近所への挨拶回り

  1. 遅くとも初七日までに、喪主か遺族が回ります。
  2. 服装は、準喪服か地味な平服です。
  3. 葬儀を無事に終えた報告と、お世話になったお礼を短く伝えます。
  4. 自宅で葬儀や安置をした場合は、人や車の出入りで迷惑をかけたことのお詫びも添えます。

会葬してくれた一般の人には、当日に会葬礼状を渡しているので、改めて訪ねる必要はありません。挨拶回りは、手伝いをしてくれた人や、自宅の周りで迷惑をかけた家を中心に考えます。

故人の勤め先へのお礼と手続き

故人が働いていた会社には、お礼を兼ねて訪ねます。全日本冠婚葬祭互助協会は、前もって人事担当者に都合のよい日時を問い合わせてから伺うよう案内しています。

その場で手続きを済ませることが多いので、必要な書類と印鑑を持って行きます。主な用件は、遺族年金や健康保険の葬祭料(埋葬料)の請求、団体の生命保険や退職金・社内預金の手続き、社員証やバッジの返却、私物の引き取りです。手続きの全体は亡くなったあとの手続きで確かめられます。

弔電・供花・香典をくれた人へのお礼

葬儀に来られず、弔電や供花、香典を送ってくれた人には、葬儀が済んでからお礼状を出します。香典をいただいた人には、四十九日の法要のあとに香典返しを送るのが一般的で、その挨拶状にお礼を書けば1通で済みます。

火葬場の職員に心付けは要る? 公式の案内で確かめた結果

火葬場の職員や霊柩車の運転手に「心付け」を渡すものか、迷う人は多いはずです。公営の火葬場では、心付けを受け取らないと公式に案内しているところが多くあります。

みおくり手帖が火葬場ページを作るときに公式の案内を確かめた施設のうち、心付けを「受け取らない」「不要」と書いている火葬場は42か所ありました(2026年10月27日時点)。そのうち、今回あらためて公式ページで確かめた例を地方ごとに挙げます。

地方 自治体 公式の案内の内容
中部 中津川市(岐阜県) 斎場職員への心づけなどの金品は不要
近畿 大阪市 市立斎場の利用に心付けは一切必要ない
近畿 神戸市 係員への心付けなどは堅く辞退
中国 広島市 心づけなど名目を問わず金品は一切受け取らない
中国 呉市(広島県) 斎場などで金品は一切受け取らない
中国 竹原市(広島県) 係員への心づけ・お清めは必要ない
中国 下関市(山口県) 市の施設なので職員への心付けは一切断る

このほか、関東の宇都宮市 悠久の丘や厚木市斎場、九州の佐賀市 つくし斎場なども、施設ページを作ったときに心付けを受け取らないことを確かめています。

注意

心付けを受け取らない施設で無理に渡そうとすると、職員を困らせてしまいます。使う火葬場の案内は、全国の火葬場ページで確かめられます。民営の火葬場や、葬儀社のスタッフへの心付けは扱いがまちまちです。見積もりに含まれているか、渡す必要があるかを葬儀社の担当者に聞いておくと安心です。

お礼の費用と相続税

お寺へのお礼は、相続税の計算で差し引ける場合があります。国税庁は、葬式にあたってお寺などに読経料などのお礼をした費用を、相続財産から差し引ける「葬式費用」に入れています。

一方、香典返しにかかった費用と、初七日などの法事の費用は入りません。お布施には領収書が出ないことが多いので、渡した日・相手・金額をメモに残しておきます。相続税がかかるかどうかの判断は、税務署か税理士に確かめてください。

地域で違うこと

お礼の習わしは、地域や家の付き合いで大きく違います。特に次の点は、地域の事情を知る人に確かめてから決めるのが安心です。

地域で違うこと 確かめる先
世話役への謝礼の額や、品物にするか現金にするか 自治会長・町内会の役員、葬儀社
手伝いの人に食事やお弁当でお礼をする習わしがあるか 親戚の年長者、葬儀社
挨拶回りで品物を持って行くか、何軒まで回るか 隣近所の世話役、自治会長
お布施をいつ渡すか(葬儀当日か後日か) 菩提寺の僧侶

お住まいの地域の葬儀の習わしは、地域で違う葬儀のしきたりでも地方別にまとめています。

迷ったときの相談先

  • お寺へのお礼の額や渡し方:菩提寺の僧侶、葬儀社の担当者
  • 世話役への謝礼・近所の習わし:自治会長、親戚の年長者
  • 火葬場の心付け:その火葬場の公式の案内、葬儀社
  • 相続税で差し引けるか:税務署、税理士

お礼は「いくら包むか」より、手伝ってくれたことへの感謝を伝えることが大切です。体や気持ちがつらいときは、近所への挨拶回りを家族で分けたり、少し日を置いてから回ったりしてもかまいません。

よくある質問

葬儀のお礼は、いつまでに済ませればいいですか?

全日本冠婚葬祭互助協会は、近所への挨拶回りは遅くとも初七日までに、お寺へのお礼は葬儀のあとあまり日を置かずに訪ねて渡すとしています。会葬してくれた一般の人には、当日の会葬礼状がお礼になるので、改めて訪ねなくてかまいません。

受付や手伝いをしてくれた人へのお礼はいくらですか?

全日本冠婚葬祭互助協会の目安では、受付や接待をした世話役には1人5,000〜10,000円を「御車代」として包み、係による差はつけません。世話役代表には10,000〜20,000円が目安です。代表が喪主より目上なら、現金より菓子折などが向いています。

火葬場の職員に心付けを渡すものですか?

公営の火葬場では、受け取らないと決めているところが多くあります。大阪市・神戸市・広島市・下関市などは、職員への心付けや金品を一切受け取らないと公式に案内しています。民営の火葬場や葬儀社のスタッフについては、葬儀社の担当者に確かめます。

家族葬で、手伝いを頼んでいない場合もお礼は要りますか?

手伝いを頼んでいなければ、世話役への謝礼は要りません。お寺へのお布施や、自宅に人や車が出入りした場合の近所への挨拶は、葬儀の規模にかかわらず考えておきます。香典や弔電をいただいた人には、お返しやお礼状でお礼を伝えます。

お寺へのお礼は相続税の計算で差し引けますか?

国税庁は、葬式でお寺などに読経料などのお礼をした費用を、相続財産から差し引ける葬式費用に入れています。一方、香典返しの費用や初七日などの法事の費用は入りません。領収書が出ないお布施は、日付・相手・金額をメモしておきます。

出典・参考にした資料

  1. お葬式のマナー:お礼・挨拶・形見分けは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-27 確認)
  2. お葬式のマナー:葬儀後の引き継ぎと支払いは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-27 確認)
  3. お葬式のマナー:故人の勤め先を訪問するとき一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-27 確認)
  4. お葬式のマナー:世話役等へのお礼一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-27 確認)
  5. お葬式のマナー:僧侶の接待のしかたは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-27 確認)
  6. 葬儀・法事・お墓のこと(御布施の表書き)真宗大谷派(2026-10-27 確認)
  7. No.4129 相続財産から控除できる葬式費用国税庁(2026-10-27 確認)
  8. 市立斎場のご案内大阪市(2026-10-27 確認)
  9. 神戸市立斎場神戸市(2026-10-27 確認)
  10. 市営火葬場のご利用広島市(2026-10-27 確認)
  11. 呉市斎場等のご利用について呉市(2026-10-27 確認)
  12. 竹原市斎場竹原市(2026-10-27 確認)
  13. 斎場(火葬場)のご案内下関市(2026-10-27 確認)
  14. 火葬場の使用中津川市(2026-10-27 確認)

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