葬儀のあと

法事のお金のまとめ 香典の目安・施主が用意するお布施と御膳料・新札と表書き

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 参列者の香典は葬儀の香典の半額程度が目安(全互協)。古い調査では1万円が最多です。
  • 施主はお布施のほか、必要に応じて御車代・御膳料・卒塔婆料を別の封筒で用意します。
  • 表書きは四十九日より前は「御霊前」、以降は「御仏前」。浄土真宗はいつも「御仏前」。
目次
  1. 法事の日に動くお金の一覧
  2. 参列者が包む香典(御供物料)
  3. 施主が用意するお金
  4. 新札の扱い
  5. 表書きの早見表
  6. 受け取ったお金と税金

法事の日に動くお金は、参列者が包む「香典(御供物料)」と、施主(法事を営む人)が用意するお金に分かれます。参列者の香典は、全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)によると葬儀の香典の半額程度が目安です。施主は、僧侶へのお布施に加えて、場合により御車代や御膳料を別に包み、会食と引き出物の支払いもします。

表書きは、四十九日より前の法要なら「御霊前」、四十九日以降なら「御仏前」が一般的です。浄土真宗では、いつも「御仏前」を使います。この記事では、法事の日のお金を一覧にし、香典の目安の計算、新札の扱い、表書きの早見表をまとめました。香典そのものの相場は香典の金額の目安に、お布施の考え方はお布施の相場と渡し方に詳しく書いています。

法事の日に動くお金の一覧

お金 誰から誰へ 表書き 金額の手がかり
香典(御供物料) 参列者から施主へ 御仏前、御霊前、御供物料 葬儀の香典の半額程度(全互協)
お布施 施主から僧侶へ 御布施 全国調査なし。お寺に尋ねてよい
御車代 施主から僧侶へ 御車代 寺以外の会場に来てもらうとき
御膳料 施主から僧侶へ 御膳料 僧侶が会食を辞退したとき
卒塔婆料 施主からお寺へ 卒塔婆料、御塔婆料 卒塔婆を立てるとき。金額はお寺に確認
会食・引き出物 施主から店へ ― 人数と内容で決まる

(全互協、献辞辞典をもとに編集部が作成)

全互協は、お布施とは別に、寺以外の会場なら「御車代」、僧侶が会食を辞退したら「御膳料」を包むとしています。それぞれ別の封筒に入れます。献辞辞典によると、浄土真宗には卒塔婆を立てる習慣がないため、卒塔婆料も要りません。

参列者が包む香典(御供物料)

全互協は、法要に招かれたら、お供え物の代わりとして現金を包むのが一般的だとしています。金額の目安は葬儀の香典の半額程度です。茶菓子だけの簡単な法要で、施主から気づかいは不要と言われた場合は、香典の2〜3割程度でよいとしています。金額は、法要の大きさや会食があるかどうか、地域の習わしでも変わります。

調査で見る法要の香典

法要の香典の金額を調べた調査は、1つしか見当たりませんでした。全互協が紹介している、三和銀行(現在の三菱UFJ銀行)の「金銭からみたおつきあい調査」(1998年)です。全互協が5年ごとに行う最新の香典の調査(2021年度)は、葬儀の香典だけを対象にしています。

法要 最も多い額 2番目 3番目
四十九日 1万円 5,000円 2万円
一周忌 1万円 5,000円 2万円か3万円
三回忌 1万円 5,000円 3万円
そのほかの法要 1万円 2万円 3万円

(三和銀行「金銭からみたおつきあい調査」1998年。全互協のサイトに掲載された表をもとに作成)

全互協は、データは古いものの、お供物料の金額は今と変わらないとしています。親族の間で申し合わせがあれば、それに合わせます。

葬儀の香典から計算する早見表

「葬儀の香典の半額程度」という全互協の目安を、全互協の2021年度の調査で最も多かった葬儀の香典の額に当てはめました。法事に招かれることの多い関係に絞っています。

故人との関係 葬儀の香典で最も多い額 その半額
兄弟姉妹 5万円 2万5,000円
祖父母 5,000円 2,500円
おじ・おば 1万円 5,000円
そのほかの親戚 1万円 5,000円
友人・その家族 5,000円 2,500円

(全互協「第6回香典に関するアンケート調査」2021年度の最多回答額をもとに編集部が計算)

半額に端数が出るときは、4や9のつく額を避け、切りのよい額に整えます。全互協は、2,000円と2万円はかまわないとしています。会食がある法事では、その分も考えて決めます。迷ったら、同じ立場で参列する親族に相談すると確実です。

地域ごとの葬儀の香典は、香典の金額の目安の地域ブロック別の表や、香典の金額を調べるツールで確かめられます。

補足

夫婦や家族で参列するときは、香典を1つにまとめて包むことが多いとされます。表書きの下には世帯主の名前を書き、必要なら家族の名前を添えます。

施主が用意するお金

施主が法事の前日までに用意するものを、順番に並べました。

  1. お布施の額をお寺に確かめる:全国的な調査は見当たりません。真宗大谷派も、地域の人や住職に尋ねるよう勧めています。
  2. 御車代・御膳料が要るか確かめる:会場が寺以外か、僧侶が会食に出るかで決まります。
  3. 卒塔婆を立てるか確かめる:立てるなら、本数と卒塔婆料をお寺に聞きます。
  4. 封筒を用意する:お布施、御車代、御膳料は別々の封筒にします。
  5. 会食と引き出物の支払い方法を確かめる:前払いか当日払いか、領収書の宛名も決めておきます。
  6. 袱紗に包んで持参する:全互協は、弔事は袱紗を右・下・上・左の順に折り、渡すときは表書きが相手から読める向きにするとしています。
包み 袋 表書き
お布施 白無地の封筒。宗派により水引付きの袋も 御布施(御法礼とする宗派も)
御車代 白い封筒。水引はつけない 御車代
御膳料 白い封筒。水引はつけない 御膳料
卒塔婆料 白い封筒が多い。お寺の指定があれば従う 卒塔婆料、御塔婆料

(全互協、曹洞宗、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派、献辞辞典をもとに作成)

全互協は、僧侶側に不幸があったわけではないので、御車代と御膳料には水引をつけないとしています。お布施の袋や水引の色は宗派で考え方が違い、天台宗は法事の御礼に赤い水引を使う例を挙げています。浄土真宗本願寺派は、「御礼」「御経料」「回向料」はふさわしくないとしています。

御車代と御膳料の金額について、法事の場面の調査は見当たりません。全互協は通夜の場面について、御膳料は1万円程度、御車代は3,000〜5,000円程度を目安に挙げています。法事でも同じでよいかは、お寺に確かめてください。会食の準備は法事の食事(お斎)に、引き出物は法事のお返し・引き出物にまとめています。

新札の扱い

新札を使うかどうかは、包むお金によって考え方が違います。資料を突き合わせると次のとおりです。

お金 新札 資料の説明
参列者の香典 避ける 全互協、浄土宗とも新札は使わないとしている
お布施 考え方が分かれる 浄土宗は新札以外が無難、円泉寺は新札でもよいとする
御車代・御膳料 決まった説明なし お布施と同じ考え方でよい

(全互協、浄土宗、真言宗智山派 円泉寺の案内をもとに編集部が作成)

浄土宗は、不幸を予期して準備していたように受け取られないよう、お布施もお香典も新札でないお札を使うのが無難としています。一方、埼玉県飯能市の円泉寺(真言宗智山派)は、お布施は新札でもよく、抵抗があれば折り目をつけて包むよう案内しています。折り目をつけたきれいなお札にすれば、どちらの考え方でも失礼になりにくいです。破れや汚れのひどいお札は避けます。

表書きの墨の濃さも、考え方が分かれます。浄土宗は、薄墨で書くのがよいとする慣習もあると紹介しています。円泉寺は、お布施は濃い墨で書くとしています。菩提寺の習わしがあれば、それに合わせます。

表書きの早見表

四十九日の前か後か、宗教や宗派によって、使う表書きが変わります。公式の説明を突き合わせて一つにまとめました。

宗教・宗派 四十九日より前の法要 四十九日以降の法要 僧侶・神職へのお礼
仏式(一般) 御霊前、御香典、御供物料 御仏前、御供物料 御布施
曹洞宗 御仏前(法事に使うと説明) 御仏前 御布施、御法礼
浄土真宗 御仏前、御香儀 御仏前、御香儀 御布施(本願寺派)。大谷派は御法礼も
神式 御玉串料、御霊前 御玉串料、御霊前 玉串料など。神社に確認
キリスト教式 御花料(カトリックは御ミサ料も) 同左 教会に確認

(全互協、曹洞宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、神社本庁、献辞辞典をもとに作成。2026年10月8日確認)

全互協は、通夜から三十五日の法要までは「御霊前」、四十九日以降の仏式の法要では「御仏前」としています。曹洞宗は、葬儀に供える金品は「御霊前」、法事に供える金品は「御仏前」と説明しており、四十九日の前後では分けていません。献辞辞典は、仏教では忌明けまでを「御霊」と考え、忌明け後は仏になるとの考えから、四十九日以降は「御仏前」を使うと説明しています。

浄土真宗では、亡くなった人はすぐに仏になると考えるため、初七日でも「御仏前」です。真宗大谷派は「御香儀」も勧めています。神社本庁の冊子は、神式のお包みは白黒の水引で「玉串料」か「御霊前」と書き、年祭でも「玉串料」とするとしています。蓮の絵の袋は仏式用なので、神式では使いません。

迷ったときは「御供物料」と書けば、全互協によるとどの宗教でも通用します。香典袋の書き方は香典の書き方に、服装は葬儀・法事の服装にまとめています。

受け取ったお金と税金

国税庁によると、個人から受ける香典などで社会通念上相当と認められるものには、贈与税がかかりません。一方、初七日など法事のためにかかった費用は、相続税の計算で遺産から差し引ける「葬式費用」に入りません。

お布施を渡した日、相手、金額、会食や引き出物の領収書は、葬儀の分と分けて保管しておくと、あとで整理しやすくなります。法要の種類と時期の一覧は法事と法要の違いに、一周忌の準備は一周忌の準備と当日の流れにまとめています。

よくある質問

法事の香典はいくら包みますか?

全日本冠婚葬祭互助協会は、葬儀の香典の半額程度を目安としています。同協会が紹介する三和銀行の調査(1998年)では、四十九日・一周忌・三回忌とも1万円が最も多い回答でした。茶菓子だけの簡単な法要で、気づかいは不要と言われた場合は、香典の2〜3割程度でよいとしています。

法事の香典の表書きは御霊前ですか、御仏前ですか?

全日本冠婚葬祭互助協会は、通夜から三十五日の法要までは「御霊前」、四十九日以降の法要は「御仏前」としています。浄土真宗では亡くなった人をすぐ仏と考えるため、いつも「御仏前」です。「御供物料」はどの宗教でも使えます。

法事で施主が用意するお金は何ですか?

僧侶へのお布施のほか、寺以外の会場に来てもらうなら御車代、僧侶が会食を辞退したら御膳料を、それぞれ別の封筒で用意します。卒塔婆を立てるなら卒塔婆料も包みます。このほか、会食と引き出物の支払いがあります。

法事の香典に新札を使ってもいいですか?

参列者の香典には、新札を使わないのが一般的です。全日本冠婚葬祭互助協会も浄土宗も、新札を避けるよう案内しています。新札しかないときは、一度折り目をつけてから包みます。

お布施は新札がいいですか?

考え方が分かれます。浄土宗は、お布施もお香典も新札以外が無難としています。一方、真言宗智山派の円泉寺(埼玉県飯能市)は、お布施は新札でもよく、抵抗があれば折り目をつけるよう案内しています。折り目をつけたきれいなお札なら、どちらの考え方でも失礼になりにくいです。

出典・参考にした資料

  1. お葬式のマナー:香典をいくら包めばいいの?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  2. お葬式のマナー:香典袋の表書きは「御霊前」それとも「御仏前」?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  3. お葬式のマナー:袱紗はどのように包みますか?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  4. お葬式のマナー:僧侶の接待のしかたは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  5. お葬式のマナー:法要の進め方は?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  6. お葬式のマナー:法要に招かれたらどうする?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  7. お葬式のマナー:法事(法要)に出席するときは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  8. 第6回香典に関するアンケート調査(令和3年度)集計結果一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-08 確認)
  9. よくあるご質問(お香典・お布施の包み方)浄土宗(2026-10-08 確認)
  10. お寺に包む葬儀のお礼!お布施のお札の入れ方やマナー真言宗智山派 円泉寺(埼玉県飯能市)(2026-10-08 確認)
  11. 法事の営み方(葬儀・法事の表書き)曹洞宗(曹洞禅ネット)(2026-10-08 確認)
  12. Q&A(お寺さんへの御礼の包み方)天台宗(2026-10-08 確認)
  13. よくあるご質問(金封の表書き)浄土真宗本願寺派(2026-10-08 確認)
  14. 葬儀・法事・お墓のこと(金封の表書き・御布施)真宗大谷派(2026-10-08 確認)
  15. 神道のお葬式 神葬祭(小冊子、令和7年4月初版)神社本庁(2026-10-08 確認)
  16. 御仏前(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  17. 御霊前(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  18. 御供物料(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  19. 卒塔婆料・御塔婆料(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  20. (御)玉串料(献辞辞典)コトバンク(2026-10-08 確認)
  21. No.4129 相続財産から控除できる葬式費用国税庁(2026-10-08 確認)
  22. No.4405 贈与税がかからない場合国税庁(2026-10-08 確認)

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