参列のマナー

香典の書き方 御霊前・御仏前の使い分けと名前・中袋の書き方、お札の入れ方

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 仏式は四十九日までは御霊前、法要からは御仏前。御香典はどちらの時期にも使えます。
  • 浄土真宗は葬儀でも御霊前を使いません。神式は御玉串料、キリスト教は御花料です。
  • 中袋の表に金額を大字(壱・参・萬など)で、裏に住所と氏名を書きます。
目次
  1. 表書きは宗教・宗派で選ぶ
  2. 四十九日の前と後で変わる
  3. 香典袋と水引の選び方
  4. 薄墨で書く理由
  5. 名前の書き方
  6. 中袋の書き方
  7. お札の入れ方と袋の閉じ方
  8. 袱紗(ふくさ)の包み方
  9. 受付での渡し方
  10. 香典を郵送するとき

香典袋の表書きは、仏式なら四十九日までは「御霊前」、四十九日の法要からは「御仏前」とするのが一般的です。「御香典」は、どちらの時期にも使えます。浄土真宗では、通夜・葬儀でも「御霊前」は使いません。名前はフルネームで書き、中袋には金額と住所・氏名を書きます。

この記事では、宗教ごとの表書き、名前と中袋の書き方、お札の入れ方、袱紗(ふくさ)の包み方と渡し方を順に説明します。包む金額の目安は「香典の金額相場」をご覧ください。

表書きは宗教・宗派で選ぶ

宗教・宗派 通夜・葬儀 四十九日以降の法要
仏式(浄土真宗以外) 御霊前・御香典・御香料 御仏前・御香典
浄土真宗 御仏前・御香典・御香資 御仏前・御香儀
神式 御玉串料・御榊料 御玉串料・御榊料
キリスト教 御花料(カトリックは御ミサ料も) 御花料

(全日本冠婚葬祭互助協会・浄土真宗本願寺派・真宗大谷派の案内をもとに作成)

仏式(浄土真宗以外)

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、通夜から忌明けまでは「御霊前」、四十九日の法要からは「御仏前」としています。「御香典」「御香料」は、葬儀にも法要にも使えます。宗派がわからないときは「御香典」にしておくと安心です。

浄土真宗

浄土真宗では、亡くなった人はすぐに仏になると考えるため、「御霊前」は使わないとされます。2つの大きな派の案内は次のとおりです。

  • 浄土真宗本願寺派:香典は故人の霊ではなく仏さまに供えるものなので、書くなら「御仏前」としています。「御供」「御香典」「御香資」も使われているとしています。
  • 真宗大谷派:葬儀では「御香儀」「御香資」「御香典」「御香料」が望ましいとしています。法事では「御香儀」か「御仏前」です。

どちらの派でも使えるのは「御香典」です。「御霊前」と印刷された袋は選ばないようにします。

神式

神式では「香典」と呼ばず、「御玉串料」「御榊料(おさかきりょう)」などと書きます(全互協)。水引は銀か白の結び切りを使います。

キリスト教

キリスト教では「御花料」が一般的です。全互協は、カトリックでは「御ミサ料」も使うとしています。蓮の花が描かれた袋は仏式用なので使いません。百合や十字架の柄の袋はキリスト教用です。

宗教がわからないとき

全互協は、「御霊前」は宗教・宗派を問わず使えるとしています。ただし浄土真宗では使いません。仏式なのは確かで宗派がわからないなら、「御香典」が無難です。案内状や葬儀社で宗教を確かめられるときは、確認してから書きましょう。

四十九日の前と後で変わる

仏式では、亡くなった日から四十九日目を「忌明け(きあけ)」とし、この日の法要から表書きを「御仏前」に変えるのが一般的です。全互協によると、地域によっては三十五日を区切りにすることもあります。

四十九日法要に持っていく場合は「御仏前」にします。四十九日がいつになるかは「四十九日の数え方」で確認できます。

香典袋と水引の選び方

  • 水引の色:黒白か双銀(銀一色)が一般的です。浄土宗は黒白・双銀を、全互協は白・黒白・銀のどれでもよいとしています。真宗大谷派は、法事の金封を黒白か黄白としています。
  • 結び方:ほどけない「結び切り」を選びます。浄土宗は「二度と起こらないように」という意味だと説明しています。
  • 柄:蓮の花の柄は仏式だけで使います。
  • 袋の大きさ:中に入れる金額と釣り合う袋を選びます。少額なのに豪華な袋、高額なのに簡素な袋は避けます。

薄墨で書く理由

通夜や葬儀の香典は、薄い墨(薄墨)で書く慣習があります。涙で墨が薄くなった、急な知らせで墨を十分にすれなかった、という気持ちを表すと言われます。浄土宗も、哀悼を表す薄墨で書くのが良いとする慣習があると紹介しています。

今は薄墨の筆ペンが市販されています。四十九日以降の法要では、濃い墨で書くのが一般的です。ボールペンや鉛筆は避け、筆ペンか毛筆で書きます。

名前の書き方

水引の上に表書き、水引の下の中央に名前を書きます。名前は表書きより少し小さめのフルネームにします。

出す人 書き方
個人 中央にフルネーム
夫婦 中央に夫のフルネーム、その左に妻の名前だけ
連名(3人まで) 目上の人を右にして、左へ順に並べる
4人以上 「〇〇一同」とし、全員の名前は別の紙に
会社 中央に代表者の氏名、右上に会社名と役職を小さく
職場の有志 「〇〇株式会社 営業部一同」など
  • 連名の順番:全互協は、目上の人から順に右から書くとしています。立場が同じなら五十音順にすると角が立ちません。
  • 別紙の書き方:4人以上のときは、全員の住所・氏名・金額を書いた紙を中袋に入れます。遺族がお礼をするときに困りません。
  • 旧姓で知られている場合:故人や遺族が旧姓で覚えているときは、名前の横に小さく旧姓を添える方法があります。
  • 代理で持っていく場合:頼まれた人の名前を書き、その左下に「代」と小さく添える習わしがあります。妻が夫の代わりに持参するときは「内」とする習わしもあります。

中袋の書き方

中袋(中包み)は、お金を直接入れる内側の封筒です。浄土宗は、表に金額、裏に住所と氏名を書くよう案内しています。

  1. 表の中央に金額を書きます。「金壱萬圓」のように、頭に「金」をつけて大字(だいじ)で書くのが一般的です。
  2. 裏の左側に住所と氏名を書きます。郵便番号から書いておくと、遺族がお礼状や香典返しを送るときに助かります。
  3. 金額欄が印刷されている場合は、その形式に合わせます。横書きの欄なら、算用数字で書いてもかまいません。

中袋がない香典袋の場合は、外袋の裏の左下に、住所・氏名・金額を書きます。

金額の書き方(大字)

大字は、あとから書き足したり書き換えたりしにくい漢字です。公的な書類でも使われ、たとえば戸籍法施行規則第31条は、戸籍に年月日を書くときに「壱、弐、参、拾」を使うと定めています。

金額 書き方の例
3,000円 金参阡圓
5,000円 金伍阡圓
1万円 金壱萬圓
2万円 金弐萬圓
3万円 金参萬圓
5万円 金伍萬圓
10万円 金壱拾萬圓

「阡」の代わりに「仟」、「圓」の代わりに「円」と書くこともあります。末尾に「也」をつけるかどうかは、どちらでもかまいません。

お札の入れ方と袋の閉じ方

  • お札の向き:浄土宗は、お札の人物が描かれていない面を表にして入れるよう案内しています。さらに、人物の顔が下になるように入れる習わしもあります。
  • 向きをそろえる:お札が何枚かあるときは、向きと種類をそろえます。
  • 新札は避ける:折り目のない新札は避けるのが一般的です。新札しかなければ、一度折り目をつけてから入れます。
  • 外袋の裏の折り返し:上側の折り返しを、下側の上にかぶせます。浄土宗は、下向きの折り返しが外側になるように包むと説明しています。お祝いのときとは重ね方が逆です。

袱紗(ふくさ)の包み方

香典袋は、袱紗という布に包んで持っていきます。かばんに直接入れると、袋が汚れたり折れたりしやすいためです。

  • 色:紺・グレー・緑などの落ち着いた色を選びます。紫の無地は、お祝いにもお悔やみにも使えます(全互協)。
  • 形:四角い布のほか、袋を挟むだけの形(金封袱紗)もあります。挟む形は、弔事では左側に開く向きで使うとされます。

四角い袱紗で包む手順です(全互協の案内による)。

  1. 袱紗を、角が上下左右にくるひし形に広げます。
  2. 香典袋を表向きにして、中央かやや右寄りに置きます。
  3. 右の角を内側に折ります。
  4. 下の角、上の角の順に折ります。
  5. 最後に左の角をかぶせ、余った部分を裏に回します。

お祝いのときとは、折る順番が逆になります。

受付での渡し方

  1. 受付の前で一礼し、「このたびはご愁傷さまでございます」などと短くお悔やみを述べます。
  2. 袱紗を開いて、香典袋を取り出します。
  3. たたんだ袱紗の上に香典袋をのせ、表書きが相手から読める向きに回します。
  4. 両手で差し出します。記帳を求められたら、住所と氏名を書きます。

受付がない場合は、遺族にお悔やみを述べてから、同じように手渡します。お悔やみの言い方は「お悔やみの言葉」で例文を紹介しています。

香典を郵送するとき

通夜や葬儀に行けないときは、香典を郵送することもできます。

  1. 香典袋に表書きと名前を書き、中袋にお金を入れます。
  2. 郵便局で現金書留の封筒を買い、香典袋ごと入れます。現金を郵便で送るときは、書留にすることが郵便法第17条で定められています。
  3. 参列できないおわびとお悔やみを書いた短い手紙を添えます。
  4. 葬儀が済んでいる場合は、喪主の自宅に送ります。

葬儀の流れや日程の目安は「お通夜・葬儀・告別式の流れ」で確認できます。

よくある質問

御霊前と御仏前はどう使い分けますか?

仏式では、通夜・葬儀から忌明け(四十九日)までは「御霊前」、四十九日の法要からは「御仏前」とするのが一般的です。ただし浄土真宗では、通夜・葬儀でも「御霊前」は使わないとされます。「御香典」は時期を問わず使えます。

宗派がわからないときの表書きは?

仏式であることがわかっていれば「御香典」にすると、浄土真宗を含めて使えます。宗教もわからない場合、全日本冠婚葬祭互助協会は「御霊前」は宗教を問わず使えるとしていますが、浄土真宗では用いません。確かめられるなら、案内状や葬儀社で宗教を確認しましょう。

香典は薄墨で書かないといけませんか?

通夜・葬儀の香典を薄墨で書くのは慣習で、法律のような決まりではありません。浄土宗も「薄墨で書くのが良いとする慣習もある」と紹介しています。四十九日以降の法要では、濃い墨で書くのが一般的です。

中袋の金額はどう書きますか?

表の中央に「金壱萬圓」「金伍阡圓」のように、頭に「金」をつけて大字(壱・弐・参・伍・拾・萬など)で書くのが一般的です。金額欄が印刷された中袋なら、その形式に合わせて書きます。

夫婦で香典を出すとき、名前はどう書きますか?

中央に夫のフルネームを書き、妻も添える場合は、その左に名前だけを書くのが一般的です。香典は夫婦で一つにまとめます。

出典・参考にした資料

  1. よくあるご質問(金封の表書き・念珠)浄土真宗本願寺派(2026-10-07 確認)
  2. 葬儀・法事・お墓のこと(金封の表書き・法事での持ち物・服装)真宗大谷派(2026-10-07 確認)
  3. よくあるご質問(お香典・お布施の包み方)浄土宗(2026-10-07 確認)
  4. お葬式のマナー:香典袋の表書きは「御霊前」それとも「御仏前」?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  5. お葬式のマナー:袱紗はどのように包みますか?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  6. お葬式のマナー:神式のマナーは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  7. お葬式のマナー:キリスト教式のマナーは?一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  8. お葬式のマナー:法要の進め方は?(忌明け)一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  9. 戸籍法施行規則(第31条)e-Gov法令検索(2026-10-07 確認)
  10. 郵便法(第17条)e-Gov法令検索(2026-10-07 確認)

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