北海道の葬儀事情 札幌の火葬料改定と友引の開場、香典は通夜に9割超
この記事の要点
- 北海道の火葬場は全国最多の155か所。1か所あたりの死亡数は483人で全国の4割ほど。
- 札幌市は2026年4月に市民の火葬料を有料(1万6千円)にし、10月から友引も開場。
- 香典を通夜に持参する人は92.7%で地域別で最高。葬祭費は後期高齢者医療が3万円。
目次
北海道では、2025年に7万4,885人が亡くなりました。稼働している火葬場は155か所で、都道府県の中で最も多く、1か所あたりの死亡数は483人です。全国平均(1,177人)の4割ほどで、47都道府県で3番目に少ない値です。
ただ、道内の死亡の3割を占める札幌市は、火葬場が2か所しかありません。札幌市では2026年に、市民の火葬料の有料化と、友引の日の開場という2つの変化がありました。香典は通夜に持っていく人が92.7%と、全国で最も多い地域です。この記事では、公的な統計と市の公表資料から、北海道の葬儀事情をまとめます。
北海道の死亡数・火葬場・葬祭費
厚生労働省の人口動態統計(2025年)と衛生行政報告例(2024年度末)、北海道後期高齢者医療広域連合の公表額です。北海道の基本の数字は「北海道の葬儀ガイド」にもまとめています。
| 項目 | 北海道 | 全国 |
|---|---|---|
| 死亡数(2025年) | 74,885人 | 1,589,533人 |
| 人口千人あたりの死亡 | 15.2人 | 13.3人 |
| 10年前(2015年)からの増加 | 23.4% | 23.2% |
| 稼働中の火葬場 | 155か所 | 1,350か所 |
| 火葬場1か所あたりの死亡数 | 483人 | 1,177人 |
| 葬祭費(後期高齢者医療) | 3万円 | 2万〜5万円 |
(火葬場は2024年度末に過去1年以内の稼働実績があるもの。1か所あたりは編集部の計算。人口千人あたりの死亡は2025年の概数)
広い道内に、火葬場が多い
北海道の面積は約8万3,422平方キロメートルで、国土の22%を占めます(国土地理院、2026年7月時点)。火葬場1か所あたりの面積を計算すると約538平方キロメートルで、全国平均(約280平方キロメートル)の2倍ほどです。
火葬場の数は、2015年度末の168か所から155か所に減りました。それでも2番目に多い岐阜県(64か所)の2倍以上あります。1か所あたりの死亡数が少ないのは、火葬場の数そのものが多いためです。
死亡の3割が札幌市に集まる
2025年に札幌市で亡くなった人は2万4,283人で、北海道全体の32%でした。2024年度の道内の火葬7万7,785件のうち、約34%を札幌市の2つの斎場が受け持っています(編集部が計算)。
道全体の数字だけでは、札幌市の混み具合はわかりません。47都道府県の比較は「47都道府県の火葬場の数と混み具合」をご覧ください。
札幌市の火葬場で2026年に変わったこと
札幌市の市営の火葬場は、里塚斎場(清田区)と山口斎場(手稲区)の2か所です。
| 斎場 | 火葬炉 | 2025年度の火葬 | 使うよう頼まれている区 |
|---|---|---|---|
| 里塚斎場(1984年〜) | 30基 | 13,535件 | 白石・豊平・厚別・清田・南区 |
| 山口斎場(2006年〜) | 29基 | 12,522件 | 中央・北・東・西・手稲区 |
(市は、亡くなった人か葬儀場の住所で、どちらの斎場を使うかの協力を求めています)
1. 市民の火葬料が無料から有料に
2026年4月1日の火葬分から、使用料が改定されました。
| 区分 | 改定前 | 2026年4月から |
|---|---|---|
| 12歳以上・市内 | 無料 | 16,000円 |
| 12歳以上・市外 | 49,000円 | 54,000円 |
| 12歳未満・市内 | 無料 | 13,000円 |
| 死胎・市内 | 無料 | 8,000円 |
(札幌市「斎場利用のご案内」より)
市内か市外かは、亡くなった人の死亡時の住所、つまり火葬許可証に書かれた住所で決まります。特別控室の市内料金は、23,000円から5,000円に下がりました。
2. 友引の日に2つの斎場が交互に開く
札幌市の斎場は、これまで友引の日は休場でした。2026年10月5日からは、友引の日に山口斎場と里塚斎場が交互に開いています。最初に開いたのは山口斎場です。
市の運営計画によると、2024年度は友引の翌日の火葬件数が、1日平均の134.7%に達していました。市は、2029年度ごろに1日に火葬できる件数の上限に届くと見込んでいます。希望の日に火葬できない「火葬待ち」も起きうるとしています。友引の開場は、こうした集中を減らすための取り組みです。
予約と、これからの見通し
- 2024年3月8日から予約制です。予約なしで行っても火葬はできません。
- 葬儀社は市の予約システムで、当日8時まで予約できます。葬儀社に頼まず個人で火葬するときは、前日17時までに斎場へ電話で予約します。
- 2024年度の火葬は2万6,421件で、過去最多でした。市は2054年度に年約3万2,792件まで増えると推計しています。
- 里塚斎場は隣の土地に建て替え、2035年度ごろに使い始める予定です。
友引と葬儀の考え方は「友引に葬儀はできる?」、全国の火葬待ちは「火葬待ちは何日?」にまとめています。
ほかの市でも、無料だった火葬料の見直し
北海道には、住民の火葬料を無料にしてきた市町があります。ただ、火葬の件数が増え、見直しの動きも出ています。
帯広市は2026年7月、市内に住む人の火葬料を有料にする案を市議会の委員会に示しました。理由は「火葬件数の増加に伴い、維持管理等に係る財政負担が増して」いるためと説明しています。2027年4月からの改定を予定する案です。
| 市町 | 住民(大人) | 住民以外(大人) |
|---|---|---|
| 札幌市 | 16,000円 | 54,000円 |
| 帯広市(現行) | 無料 | 32,500円 |
| 帯広市(改定案) | 12,000円 | 50,000円 |
| 釧路市 | 18,000円 | 36,000円 |
| 苫小牧市 | 13,000円 | 26,000円 |
| 幕別町 | 無料 | 50,000円 |
(札幌市は市の公表料金。そのほかは帯広市の2026年7月の委員会資料に載った値。大人の年齢の区切りは市町で違い、帯広市は14歳以上)
火葬料は、亡くなった人の住所の市町村や、近くの市町村と共同で運営する組合ごとに決まっています。住んでいた市町村のホームページで「斎場」「火葬場」と検索すると、料金と予約の仕方を確かめられます。
香典は通夜に持っていく人が9割超
全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の「第6回香典に関するアンケート調査」(2021年度)の北海道の結果です。回答は259件でした。
| 項目 | 北海道 | 参考:東北 |
|---|---|---|
| 香典を通夜に持参 | 92.7% | 41.9% |
| 香典を告別式に持参 | 6.6% | 55.5% |
| 通夜だけに出席 | 60.6% | 34.2% |
| 両方に出席 | 32.8% | 28.2% |
(全互協の地域別の集計を加工して作成。出席の割合は回答件数から編集部が計算)
通夜に持参する割合は、10の地域ブロックで最も高い値でした。2016年度の前回調査でも95.4%で、通夜に渡すのが定着しているといえます。全互協は、北海道の結果には札幌市など大都市の傾向が出ていると考えられると説明しています。
香典の金額は、職場関係・近所とも最も多い答えが5,000円でした。関係ごとの目安は「香典の金額相場」や「香典の金額の目安」で調べられます。なお、この調査は互助会が受けた葬儀に来た人への調査で、北海道全体を表すものではありません。
葬儀費用と参列の人数
鎌倉新書の「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」の北海道の平均です(回答74件)。
| 項目 | 北海道 | 全国 |
|---|---|---|
| 葬儀費用の総額 | 102.4万円 | 118.5万円 |
| お布施 | 20.6万円 | 22.9万円 |
| 受け取った香典 | 48.0万円 | 47.3万円 |
| 参列した人数 | 36.0人 | 38.9人 |
(鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」の都道府県別の平均を加工して作成。回答が少ないため目安です)
総額は全国より16万円ほど低く、受け取った香典は全国並みでした。総額から香典を引いた差(平均どうしの差)は54.4万円で、10の地方の中で最も小さい計算です。実際の負担は家ごとに違うので、目安として読んでください。費用の内訳は「葬儀費用の相場と内訳」にまとめています。
冬の納骨は時期を確かめる
雪の多い北海道では、冬の間、墓地の管理事務所が閉まったり、納骨ができなかったりする所があります。
- 札幌市の里塚霊園は、管理事務所が冬期間(12月1日〜3月31日)閉所します。手稲平和霊園は11月ごろから4月上旬ごろまで閉所です。
- 札幌市は、春のお彼岸の前に市営霊園の園路を除雪しています。
- 旭川市の共同墓は、納骨を5月から10月までの友引の日に行っています。市の案内(2021年版)は、冬は積雪で納骨もお参りもできないとしています。
冬に亡くなった場合は、納骨の日を急がず、墓地や納骨堂に受け付けの時期を確かめてから決めると安心です。納骨の手続きは「納骨の時期と手続き」をご覧ください。
北海道で葬儀をするときに確かめたいこと
よくある質問
札幌市の火葬場はいくらですか?
里塚斎場・山口斎場とも、2026年4月1日から12歳以上の市民は16,000円、市外の人は54,000円です。それまで市民は無料でした。市民かどうかは、亡くなった人の死亡時の住所(火葬許可証に書かれた住所)で決まります。
札幌市の斎場は友引の日も使えますか?
2026年10月から使えるようになりました。それまで友引の日は休場でしたが、10月5日から里塚斎場と山口斎場が友引の日に交互に開いています。どちらが開くかは、市が公表する開場カレンダーで確かめられます。休みは1月1日です。
北海道では香典はいつ渡しますか?
通夜に渡す人がほとんどです。全日本冠婚葬祭互助協会の調査(2021年度)では、北海道で香典を通夜に持参した人は92.7%、告別式は6.6%で、全国の地域ブロックで通夜の割合が最も高い結果でした。
北海道の葬祭費はいくらですか?
後期高齢者医療の葬祭費は北海道全域で3万円です。札幌市の国民健康保険も3万円です。ほかの市町村の国民健康保険は、市町村の窓口で確かめます。期限は葬儀の翌日から2年です。
出典・参考にした資料
- 令和7(2025)年人口動態統計(確定数)の概況・統計表厚生労働省(2026-10-07 確認)
- 人口動態統計月報年計(概数)令和7年 統計表(都道府県別死亡率)厚生労働省(2026-10-07 確認)
- 衛生行政報告例 令和6年度 第5表 墓地・火葬場・納骨堂数厚生労働省(e-Stat)(2026-10-07 確認)
- 衛生行政報告例 令和6年度 第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数厚生労働省(e-Stat)(2026-10-07 確認)
- 衛生行政報告例 平成27年度 第5表 墓地・火葬場・納骨堂数厚生労働省(e-Stat)(2026-10-07 確認)
- 令和8年全国都道府県市区町村別面積調(7月1日時点)国土地理院(2026-10-08 確認)
- 札幌市の斎場(火葬場)札幌市(2026-10-07 確認)
- 斎場利用のご案内札幌市(2026-10-07 確認)
- 札幌市火葬場予約システムについて札幌市(2026-10-07 確認)
- 里塚斎場札幌市(2026-10-07 確認)
- 山口斎場札幌市(2026-10-07 確認)
- 令和7年度月別火葬件数札幌市(2026-10-07 確認)
- 第2次札幌市火葬場・墓地に関する運営計画(2026年3月)札幌市(2026-10-07 確認)
- 市営霊園の概要札幌市(2026-10-08 確認)
- 市営墓地の概要(別紙)札幌市(2026-10-08 確認)
- 使用料・手数料の改定(案)について(令和8年7月21日 総務委員会提出資料)帯広市(2026-10-08 確認)
- 旭川市共同墓のご案内(2021年4月版)旭川市(2026-10-08 確認)
- 第6回 香典に関するアンケート調査(集計結果)全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
- 第6回 香典に関するアンケート調査(調査概要)全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
- 第6回お葬式に関する全国調査(2024年)都道府県別の葬儀費用株式会社鎌倉新書(いい葬儀)(2026-10-07 確認)
- 後期高齢者医療 葬祭費の支給北海道後期高齢者医療広域連合(2026-10-07 確認)
- 国民健康保険 葬祭費札幌市(2026-10-07 確認)