お墓と供養

納骨の時期と手順 四十九日・一周忌の考え方と埋葬許可証・納骨式の流れ

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 納骨の時期に法律の決まりはなく、四十九日や一周忌の法要に合わせる家が多いとされます。
  • 墓地や納骨堂に納めるには、火葬済みの記入がある火葬許可証(埋葬許可証)が要ります。
  • 日程は、墓地の管理者・お寺・石材店の3者と早めに調整します。
目次
  1. 納骨の時期の考え方
  2. 納骨に必要な書類
  3. 納骨までの手順
  4. 納骨式の当日の流れ
  5. 骨つぼがお墓に入るか
  6. 分骨するとき

納骨(のうこつ)の時期に、法律の決まりはありません。四十九日や百か日、一周忌など、法要の節目に合わせて納骨する家が多いとされます。納骨には、火葬場で「火葬済み」の日時を記入してもらった火葬許可証が必要です。一般に「埋葬許可証」と呼ばれる書類で、墓地や納骨堂の管理者は、これを受け取らないと遺骨を納めさせてはならない決まりです。

この記事では、時期の考え方、必要な書類、墓地の管理者・お寺・石材店への連絡、納骨式の当日の流れをまとめました。地域による違いや、書類をなくしたときの調べ方も紹介します。

納骨の時期の考え方

法律に期限はない

墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)は、遺骨を墓地以外に埋めることを禁じています(第4条)。一方で、いつまでに納骨するかは決めていません。東京都の案内でも、自宅で遺骨を保管することについて、同法に特に規定はないとしています。

ただし、庭や自分の土地に遺骨を埋めることはできません。墓地として許可を受けた区域以外で遺骨を埋めることにあたるからです。

宗派の案内と、よく選ばれる時期

時期 どんなときに選ばれるか
葬儀の当日 先に火葬をする地域(前火葬)で多い。遠くの親族が集まり直さずにすむ
四十九日 法要とあわせて納骨する家が多い。忌明け(喪に服す期間の区切り)にあたる
百か日 四十九日に準備が間に合わないとき
一周忌・三回忌 新しくお墓を建てる場合や、気持ちの整理に時間がほしいとき

浄土真宗の2つの宗派は、公式サイトで次のように案内しています。

  • 真宗大谷派:納骨の時期に決まりはないが、四十九日や百か日など法要の節目に合わせることが一般的
  • 浄土真宗本願寺派:特に決まりはないが、いつまでも家に置いておくことは避けたい。満中陰(四十九日)か百か日あたりが目安で、地域で違いがある

神道の葬儀(神葬祭)では、神社本庁が示す一般的な流れの中に、遺骨を納める「埋葬祭」があります。キリスト教の場合は、所属する教会に相談します。

先に火葬をする地域では当日が多い

東北の青森・岩手・秋田や、熊本県などには、通夜のあとに火葬をして、遺骨で葬儀をする地域があります(前火葬・骨葬)。国立歴史民俗博物館の研究報告(関沢まゆみ、2015年)は、同館の全国58地点の調査報告を見直し、火葬のあとで葬儀をする21事例を挙げています。このうち19事例は葬儀の当日に納骨し、翌日以降は2事例でした。

地域ごとの葬儀の違いは、地域で違う葬儀のしきたりで地方別にまとめています。

納骨に必要な書類

書類 どこで手に入れるか いつ使うか
火葬許可証(火葬済みの記入があるもの) 死亡届を出した市区町村が交付し、火葬場が記入して返す 納骨のとき、墓地・納骨堂の管理者に出す
墓地・納骨堂の使用許可証 墓地・納骨堂の管理者 使用者の確認に求められることがある
分骨の証明書 火葬場か、今の墓地・納骨堂の管理者 遺骨を分けて別の場所に納めるとき
改葬許可証 今のお墓がある市区町村 一度納めた遺骨を別のお墓に移すとき

「埋葬許可証」とは

火葬をするには、市区町村長の許可が要ります(墓地埋葬法第5条)。許可を受けると火葬許可証が交付され、火葬場に出します。火葬場の管理者は、火葬を終えると、火葬許可証に火葬の日時を記入し、署名・押印して返す決まりです(同法第16条第2項、施行規則第8条)。

この記入済みの火葬許可証が、一般に「埋葬許可証」と呼ばれます。墓地の管理者はこれを受け取らないと焼骨を埋蔵させてはならず、納骨堂の管理者も受け取るまで収蔵できません(同法第14条)。受け取った管理者は、5年間保存します(同法第16条第1項)。

ポイント

全互協(全日本冠婚葬祭互助協会)の案内では、収骨が終わると、火葬場の係員が骨つぼを箱に納め、その中に埋葬許可証も入れて渡すとされています。堺市の案内も、許可証が見つからないときは骨つぼの中や遺影の裏を確かめるよう呼びかけています。

なくしたときの調べ方

  1. 骨つぼの箱の中、遺影の裏、葬儀社の書類袋を確かめる。葬儀社が預かっていることもあります。
  2. 火葬をした斎場に相談する。堺市は、斎場で火葬した場合に「火葬証明書」を申請でき、多くの寺院がこれで対応していると案内しています。
  3. 死亡届を出した市区町村で再交付を相談する。柏市は、再交付できるのは死亡届を出した市区町村だけで、斎場から取り寄せた火葬済み証明書を添えて申請すると案内しています。

再交付ができるか、どんな書類が要るかは、市区町村によって違います。「〇〇市 埋火葬許可証 再交付」と検索するか、死亡届を出した役所の戸籍の窓口にたずねてください。

納骨までの手順

1. 納骨先を決める

先祖のお墓があればそこに納めます。お墓がない場合は、新しくお墓を建てるか、納骨堂、永代供養墓、樹木葬などから選びます。それぞれの違いは永代供養とは、納骨堂とは、樹木葬とはで説明しています。

新しく墓石を建てる場合は、完成までに時間がかかるため、一周忌などに納骨を合わせることがあります。

2. 墓地・納骨堂の管理者に連絡する

寺院の墓地なら住職に、霊園なら管理事務所に、納骨したい日を相談します。次のことを確かめます。

  • 納骨できる日と時間
  • 当日持っていく書類(埋葬許可証、使用許可証、印鑑など)
  • 管理者に払う手数料があるか
  • 石材店の指定があるか(寺院や霊園によっては、出入りできる石材店が決まっています)

3. お寺に読経を頼む

仏式で納骨の法要(納骨式)をする場合は、菩提寺に読経をお願いします。浄土真宗本願寺派は、お墓に納めるときは手次ぎのお寺(所属するお寺)に依頼して、納骨のお勤めをしてもらうよう案内しています。四十九日の法要と同じ日にするなら、法要の依頼とあわせて伝えます。

4. 石材店に作業を頼む

お墓の納骨室(カロート)を開け閉めするのは、多くの場合、石材店です。墓石や墓誌(名前を刻む石板)に、故人の名前や戒名、亡くなった日を彫る場合は、日数がかかることがあるので早めに頼みます。

5. 参列者に案内する

家族だけで行うか、親族にも声をかけるかを決め、日時と場所、会食の有無を伝えます。

納骨式の当日の流れ

一般的な仏式の例です。お寺や霊園によって順番は違います。

  1. 受付:管理事務所や寺務所で、埋葬許可証などを出します。
  2. 納骨:石材店が納骨室を開け、喪主などが骨つぼを納めます。
  3. 読経と焼香:僧侶が読経し、参列者が順に焼香します。焼香の作法は焼香のやり方にまとめています。
  4. 納骨室を閉じる:石材店が閉じます。
  5. 会食:お寺や近くの店で食事をすることがあります。

服装は、四十九日の法要とあわせるなら喪服が一般的です。家族だけで納骨のみをする場合は、地味な平服でよいとされます。迷ったら法事の服装を参考にしてください。

お布施と費用

納骨のお布施や、石材店の作業費について、調査主体のはっきりした全国の相場は見当たりませんでした。お布施はお寺に、作業費は石材店に、事前にたずねておくと安心です。お布施をたずねることは失礼にはあたりません。表書きは「御布施」とするのが一般的です。

骨つぼがお墓に入るか

火葬のあとにお骨をどこまで拾うかは地域で違い、骨つぼの大きさも変わります。全互協は、関東ではすべての骨を、関西ではのど仏など一部の骨を骨つぼに納める風習があり、骨つぼの大きさが違うと説明しています。

遠くのお墓に納める場合、骨つぼの大きさと納骨室の広さが合わないことがあります。葬儀のときに、納める予定のお墓の地域を葬儀社に伝えておくと安心です。すでに骨つぼがある場合は、石材店に納骨室の大きさをたずねます。各地の火葬場の収骨の違いは地域で違う葬儀のしきたりの「お骨の拾い方」で紹介しています。

分骨するとき

遺骨を分けて、2か所以上に納めることもできます。分けた遺骨を別の墓地や納骨堂に納めるには、分骨の証明書が要ります。

  • 火葬のときに分ける:火葬場の管理者に分骨の証明を出してもらいます(施行規則第5条第3項)。全互協は、事前に葬儀社と火葬場の係員に伝えておくよう案内しています。
  • お墓に納めたあとで分ける:今の墓地・納骨堂の管理者に、埋蔵や収蔵の事実を証明する書類を出してもらいます(施行規則第5条第1項)。

浄土真宗本願寺派は、「分骨はいけない」と考える人がいるが、分骨がいけない理由はどこにもないと説明しています。

注意

合祀墓(ほかの人の遺骨と一緒に納めるお墓)に納めたり、散骨したりすると、遺骨を取り出すことはできません。浄土宗も、あとから「遺骨を返してほしい」と言われるケースがあると注意を促しています。家族で話し合ってから決めます。

納骨の前後の法要については、四十九日法要の準備と当日の流れと年忌法要の早見表もご覧ください。

よくある質問

納骨はいつまでにしなければいけませんか?

法律で決まった期限はありません。墓地、埋葬等に関する法律には、自宅で遺骨を保管することについての規定もありません(東京都の案内)。四十九日、百か日、一周忌など、法要の節目に合わせて納骨する家が多いとされます。

納骨に必要なものは何ですか?

火葬場で火葬済みの日時を記入してもらった火葬許可証(一般に埋葬許可証と呼ばれます)が必要です。墓地の管理者は、これを受け取らないと遺骨を納めさせてはならない決まりです。ほかに、墓地の使用許可証や印鑑などを求められることがあるので、管理者に確かめます。

埋葬許可証をなくしたらどうすればいいですか?

まず、骨つぼを納めた箱の中を確かめてください。火葬場で骨つぼと一緒に渡されることが多いためです。見つからなければ、火葬をした斎場で火葬の証明を受けられるか、死亡届を出した市区町村で再交付を受けられるかを確かめます。扱いは市区町村によって違います。

納骨式のお布施はいくらですか?

納骨のお布施について、調査主体のはっきりした全国の相場は見当たりませんでした。菩提寺がある場合は、お寺に直接たずねても失礼にはあたりません。四十九日の法要と同じ日に納骨する場合は、法要のお布施とまとめるか分けるかも確かめておきます。

前火葬の地域では、納骨はいつしますか?

国立歴史民俗博物館の研究報告(2015年)は、火葬のあとで葬儀をする21の事例のうち、19事例が葬儀の当日に納骨していたと紹介しています。東北などで多いとされる習わしです。地域の習わしは、葬儀社やお寺に確かめるのが確実です。

出典・参考にした資料

  1. 墓地、埋葬等に関する法律(第2条・第4条・第5条・第8条・第14条・第16条)e-Gov法令検索(2026-10-07 確認)
  2. 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(第5条・第8条)e-Gov法令検索(2026-10-07 確認)
  3. 墓地・納骨堂・火葬場 よくある質問(自宅での焼骨の保管)東京都保健医療局(2026-10-07 確認)
  4. 納骨・改葬に関すること堺市(2026-10-07 確認)
  5. 埋火葬許可証再交付申請:埋火葬許可証を紛失したとき柏市(2026-10-07 確認)
  6. お葬式のマナー:火葬許可証が埋葬許可証に一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  7. お葬式のマナー:出棺と挨拶、骨揚げ(分骨・埋葬許可証の確認)一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(2026-10-07 確認)
  8. 仏事のこと(納骨の時期)真宗大谷派(2026-10-07 確認)
  9. 葬儀・法事・お墓のこと(中陰)真宗大谷派(2026-10-07 確認)
  10. よくあるご質問(納骨とお墓参り・分骨とは)浄土真宗本願寺派(2026-10-07 確認)
  11. よくあるご質問(お墓はどのようなものがありますか)浄土宗(2026-10-07 確認)
  12. 神葬祭(神葬祭の流れ)神社本庁(2026-10-07 確認)
  13. 火葬化とその意味:「遺骸葬」と「遺骨葬」:納骨施設の必須化(関沢まゆみ、国立歴史民俗博物館研究報告 第191集、2015年)国立歴史民俗博物館(2026-10-07 確認)

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