お墓と供養

永代供養とは 永代使用との違い・合祀の時期・費用の目安と公営の合葬墓

更新 文 みおくり手帖 編集部

この記事の要点

  • 永代供養は、継ぐ人の代わりに墓地や寺院が遺骨を管理・供養する形。永代使用とは別物です。
  • 多くは最初から、または一定期間のあとに合祀され、合祀後は遺骨を取り出せません。
  • 公営の合葬墓は、最初から合祀する方式なら8都市で1体9,100円〜6万4,000円でした。
目次
  1. 永代供養とは
  2. 永代使用と永代供養の違い
  3. 合祀・個別安置の期間
  4. 費用の目安
  5. 契約の前に確かめること
  6. 申し込みから納骨までの流れ

永代供養(えいたいくよう)は、お墓を継ぐ人に代わって、墓地や寺院が遺骨の管理と供養を引き受ける形のことです。継ぐ人がいなくても申し込めるものが多く、墓地の区画を使い続ける権利である「永代使用」とは別のものです。永代供養のお墓に納めた遺骨は、最初から、または一定の期間のあとに、ほかの人の遺骨と一緒に合祀(ごうし)されるのが一般的です。合祀したあとは、遺骨を取り出せません。

費用は、施設や合祀までの期間で大きく変わります。公営の合葬墓では、最初から合祀する方式なら、この記事で調べた8都市で1体9,100円〜6万4,000円でした。個別に保管する期間がつくと高くなります。この記事では、全国8都市の公営の合葬墓の料金と申し込み方を一つの表にまとめ、契約の前に確かめることを整理しました。特定の霊園や寺院をすすめるものではありません。

永代供養とは

辞書では、永代供養を「寺で金銭の布施を受けて、故人の冥福のため、忌日や彼岸などに永久に継続して供養すること」と説明しています。もとは、お寺に供養を続けてもらう約束を指す言葉でした。

いまは、継ぐ人を前提にせず、墓地や寺院に遺骨の埋蔵と管理を任せるお墓を「永代供養墓」と呼ぶことが多くなっています。厚生労働省の「墓地経営・管理の指針」(2000年)も、将来にわたって墓の管理(供養)を経営者に任せる「永代供養墓」と、そのための「永代供養料」に触れています。同じ指針の標準契約約款は、代々継ぐお墓の契約(墓地使用権型)とは別に、継ぐことを前提にしない「埋蔵管理委託型」の契約を示しています。

法律での扱い

「永代供養」は、法律で決まった言葉ではありません。墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)には出てきません。永代供養のお墓も、遺骨を土の中や墓石の下に納めるなら「墓地」、建物の中の棚などに納めるなら「納骨堂」として、都道府県知事など(市・特別区は市長・区長)の許可を受けた施設でなければなりません(第2条・第10条)。墓地の外に遺骨を埋めることは禁じられています(第4条)。

例えば京都市の深草墓園は、合葬式の施設を「納骨堂」として運営しています。名前が「永代供養墓」「合葬墓」「合祀墓」と違っていても、法律上はどちらかの許可を受けた施設です。

永代使用と永代供養の違い

永代使用 永代供養
何のことか 墓地の区画を使い続ける権利 墓地や寺院が遺骨の管理と供養を引き受けること
払うお金 永代使用料(区画を使う権利の代金)と、年ごとの管理料 永代供養料など。管理料をまとめて前払いする考え方もある
継ぐ人 代々継ぐことが前提 いなくても申し込めるものが多い
遺骨の納め方 家族のお墓に個別に納める 最初から、または一定期間のあとに合祀することが多い

厚生労働省の指針は、墓地の料金を「使用料・管理料制」と「永代供養料制」に分けて説明しています。使用料は墓地を使う権利を得るための料金で、「永代使用料」という名前で集めることが多いとしています。

注意

「永代」と書いてあっても、無期限とは限りません。厚生労働省の指針は、「永代使用」と表示しながら、実際は管理料が払われる間だけ権利が続く契約や、期限つきで更新する契約もあると注意しています。管理料が払われなくなると、使用権が消えて合葬墓などに移す定めがある契約もあります。

合祀・個別安置の期間

永代供養のお墓は、遺骨の納め方で大きく3つに分かれます。

納め方 どんな形か 遺骨を取り出せるか
最初から合祀(直接合葬) ほかの人の遺骨と一緒に納める できない
一定期間は個別、その後合祀 骨つぼのまま個別に安置し、期間が過ぎたら合祀する 個別の期間中なら返還できる施設もある
合祀しない 区画や壇を使い続ける 契約による

個別に安置する期間は、施設によってさまざまです。公営の例では、仙台市と神戸市が10年、福岡市が10年・20年・30年、東京都の都立霊園が20年、那覇市が12年(十三回忌)と32年(三十三回忌)を設けています。

取り出しについて、公営の施設は次のように案内しています。

  • 札幌市(合同納骨塚):骨つぼから出して一緒に納めるため、納骨後の引き取りは一切できない
  • 広島市(合葬墓):受け付けた遺骨の返還・改葬はできない
  • 神戸市(鵯越合葬墓):合葬施設は返還・改葬できない。個別安置施設は使用期間内なら返還・改葬できる
  • 仙台市(いずみ墓園):原則として返還できないが、10年保管の方式で個別に安置している期間中は遺骨を返す
  • 福岡市(平尾霊園):条例で、合葬式墓所の遺骨は返還しないとしたうえで、個別埋蔵の期間中にやむを得ない理由があり、市長が認めれば返還できるとしている

浄土宗も、合祀墓や散骨の場合、一度納めると再び集めることは難しく、後年「遺骨を返してほしい」と言われるケースもあると注意を促しています。

費用の目安

調査で見る金額

株式会社鎌倉新書の「第17回お墓の消費者全国実態調査(2026年)」は、同社のお墓探しサイトを通して2025年にお墓を買った人に聞いた調査です(有効回答1,267件)。買ったお墓の16.4%が合祀墓・合葬墓でしたが、合祀墓・合葬墓の平均購入金額は公表されていません。ほかの種類の平均は次のとおりです。

お墓の種類 平均購入金額(2026年調査) 年間管理費が「かからない」(2025年調査)
樹木葬 71.7万円 83.0%
納骨堂 81.5万円 46.7%
一般墓 152.0万円 28.5%

樹木葬や納骨堂にも、永代供養がついたものが多くあります。年間の管理費がかからないものが多い一方、納骨堂では半分以上の人が管理費のかかる契約でした。種類ごとの違いは樹木葬とはと納骨堂とはで詳しく説明しています。

同社の「第4回改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」では、墓じまいをした遺骨の移し先は、合祀墓・合葬墓が43.2%で最も多い結果でした。

公営の合葬墓の料金(全国8都市)

自治体が運営する合葬墓は、民営より費用を抑えやすい選択肢です。各自治体の公式サイトで確かめた、2026年度の料金と申し込み方です。

地方・都市 施設 1体あたりの料金 申し込み
北海道・札幌市 合同納骨塚(平岸霊園) 9,100円(以後の管理料なし) 通年。事前に電話予約。生前予約は不可
東北・仙台市 いずみ墓園 合葬式墓所 直接合葬4万7,400円、10年保管後合葬8万9,400円 2026年10月から随時。満65歳以上の市民は生前申込も可
関東・東京都 都立霊園 合葬埋蔵施設 直接共同埋蔵5万3,000円〜、20年保管後共同埋蔵6万1,000〜13万1,000円 年1回の公募。都内に3年以上住んでいることなど
近畿・京都市 深草墓園 納骨堂(合葬式) 市内5万円(粉状の遺骨は2万円)、市外10万円 毎日随時。本人か遺骨の人が市民か元市民
近畿・神戸市 鵯越合葬墓 合葬施設 5万円 通年・郵送。抽選なし
中国・広島市 高天原墓園 合葬墓 5万円(管理料込み) 2026年度は5〜6月と11〜12月の2回。生前申込は不可
九州・福岡市 平尾霊園 合葬式墓所 直接合葬6万4,000円(市外9万6,000円)、個別埋蔵10年後合葬11万2,000円など 年1回、抽選。75歳以上の生前予約枠あり
沖縄・那覇市 那覇市民共同墓 合葬室 3万円 市民で、祭祀を主宰する人。生前予約も可

(各自治体の2026年度の募集案内・公式ページより編集部作成。申し込みの条件は主なものだけで、詳しくは各自治体の案内を確かめてください)

公営の合葬墓は、多くが「その市に住んでいる人」や「市民の遺骨を持っている人」に限られます。募集の時期が決まっていて、抽選になることもあります。

補足

公営の合葬墓は、宗教的な供養をしないことが多い点に注意します。札幌市は供養や慰霊祭などの宗教的な行事を行っていないとし、広島市も法要などの供養は一切行わないとしています。お経をあげてもらいたい場合は、菩提寺などに別に頼むことになります。

自分の地域の公営の合葬墓を調べる方法

  1. 「〇〇市 合葬墓」「〇〇市 合同墓」「〇〇市 市営霊園 募集」で検索する。自治体によって「合葬式墓地」「合同納骨塚」「共同墓」など呼び方が違うので、いくつかの言い方で探します。
  2. 市区町村の霊園・墓地の担当課に電話する。生活衛生課、環境衛生課、霊園管理事務所などが窓口です。
  3. 募集の時期を確かめる。年1回の公募の自治体では、募集を逃すと翌年度になります。
  4. 申し込みの条件を確かめる。住んでいる年数、遺骨を持っているか、生前に申し込めるかなどです。

契約の前に確かめること

民営の霊園や寺院の永代供養墓は、内容がさまざまです。次の点を、パンフレットだけでなく契約書と重要事項の説明書で確かめます。厚生労働省の指針も、経営者は契約書と重要事項の説明書を作り、料金や使用期限を利用者に十分説明するべきだとしています。

確かめること 見るポイント
経営主体と許可 誰が経営しているか。墓地・納骨堂の経営許可を受けているか
合祀の時期 最初から合祀か、何年後か。合祀前に取り出せるか
費用の範囲 永代供養料に、納骨料・銘板・彫刻・法要の費用が含まれるか
年間管理費 かかるか。払えなくなったときどうなるか
供養の内容 合同の法要は年に何回か。個別の法要を頼めるか
宗派の条件 檀家になる必要があるか。宗派を問わないか
入れる人数 夫婦や家族で入れるか。あとから追加できるか
お参りのしかた 墓前でお参りできるか。線香や供花の決まり

国民生活センターには、永代供養墓や納骨堂についての相談が寄せられています。同センターが公表した裁判外紛争解決(ADR)の事案では、ウェブサイトや担当者が「納骨壇の購入代金以外の費用はかからない」と説明していた納骨堂で、のちに1人あたり約5万円の納骨料や、別の名目の費用を求められた例が紹介されています。総額と、あとから何にお金がかかるのかを、書面で確かめておくことが大切です。

納得できない請求を受けたときは、消費者ホットライン(局番なしの188)で、住んでいる地域の消費生活センターに相談できます。

ポイント

経営主体について、厚生労働省の指針は、墓地の経営は市町村などの地方公共団体が原則で、それが難しい場合も宗教法人や公益法人などに限るという考え方を示しています。営利企業を経営主体と認めるのは適当でないとしています。販売の窓口が石材店などの会社でも、経営主体は寺院(宗教法人)などであることが多いので、契約書でどこが経営者かを確かめます。

申し込みから納骨までの流れ

  1. 家族・親族と話し合う:合祀すると取り出せないため、先に家族の考えをそろえます。
  2. 候補を探して見学する:公営なら自治体の募集案内を、民営・寺院なら資料を取り寄せます。
  3. 契約内容を確かめて申し込む:上の表の点を書面で確かめてから契約します。
  4. 納骨の書類をそろえる:亡くなって間もない遺骨なら、火葬場で火葬済みの記入を受けた火葬許可証(埋葬許可証)が要ります。今のお墓から移すなら、改葬許可証が要ります。
  5. 納骨する:施設の案内に従って納めます。立ち会えない施設もあります。

納骨の手順は納骨の時期と手順に、今のお墓から移す手続きは墓じまいの手順と費用にまとめています。遺骨を海などにまく方法は散骨のルールと方法で説明しています。

よくある質問

永代供養と永代使用の違いは何ですか?

永代使用は、墓地の区画を使い続ける権利のことで、そのために払う代金が永代使用料です。家族が代々お墓を継ぎ、管理料を払い続けるのが前提です。永代供養は、継ぐ人の代わりに墓地や寺院が遺骨の管理と供養を引き受けることで、継ぐ人がいなくても申し込めるものが多くあります。

永代供養の費用はいくらですか?

鎌倉新書の「第17回お墓の消費者全国実態調査(2026年)」は、合祀墓・合葬墓の平均購入金額を公表していません。同じ調査で、樹木葬は平均71.7万円、納骨堂は81.5万円でした。公営の合葬墓は、札幌市の9,100円、広島市・神戸市の5万円、福岡市の6万4,000円(直接合葬)など、1体あたり数万円のところが多くあります。

永代供養はずっと個別に供養してもらえるのですか?

多くは、最初からか、一定の期間のあとに、ほかの人の遺骨と一緒に納める合祀(ごうし)になります。個別に安置する期間は、10年、20年、33回忌までなど、施設によって違います。何年後に合祀されるのかを、契約の前に必ず確かめてください。

永代供養墓から遺骨を取り出せますか?

合祀したあとは、ほかの人の遺骨と混ざるため取り出せないのが一般的です。札幌市や広島市の公営の合葬墓も、納めたあとの返還はできないとしています。仙台市や神戸市のように、個別に安置している期間中なら返還できる施設もあります。

永代供養なら管理費はかかりませんか?

かからないものが多い一方、年間の管理費がかかるものもあります。鎌倉新書の2025年の調査では、年間管理費が「かからない」と答えた人は、納骨堂で46.7%でした。納骨のたびに納骨料がかかる施設もあるので、費用に何が含まれるかを書面で確かめます。

出典・参考にした資料

  1. 墓地、埋葬等に関する法律(第2条・第4条・第10条・第14条)e-Gov法令検索(2026-10-07 確認)
  2. 墓地経営・管理の指針等について(平成12年12月6日 生衛発第1764号)厚生労働省(2026-10-07 確認)
  3. 墓地・埋葬等のページ厚生労働省(2026-10-07 確認)
  4. 墓地・納骨堂・火葬場 よくある質問東京都保健医療局(2026-10-07 確認)
  5. 【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)調査結果ページ株式会社鎌倉新書(いいお墓)(2026-10-07 確認)
  6. 【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)株式会社鎌倉新書(2026-10-07 確認)
  7. 【第16回】お墓の消費者全国実態調査(2025年)調査結果ページ株式会社鎌倉新書(いいお墓)(2026-10-07 確認)
  8. 【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)調査結果ページ株式会社鎌倉新書(いいお墓)(2026-10-07 確認)
  9. 合同納骨塚について札幌市(2026-10-07 確認)
  10. 市営墓地[いずみ墓園 合葬式墓所]貸出募集案内仙台市(2026-10-07 確認)
  11. (参考)令和8年度 市営墓地[いずみ墓園 合葬式墓所]春期貸出募集案内仙台市(2026-10-07 確認)
  12. 令和8年度 都立霊園の使用者を募集東京都(2026-10-07 確認)
  13. 京都市深草墓園における納骨堂の概要京都市(2026-10-07 確認)
  14. 神戸市立墓園「鵯越合葬墓 合葬施設」使用者募集神戸市(2026-10-07 確認)
  15. 2026年度 神戸市立墓園の使用者募集神戸市(2026-10-07 確認)
  16. 令和8年度合葬墓使用者募集のご案内広島市(2026-10-07 確認)
  17. 平尾霊園合葬式墓所の利用者募集(市政だより 令和8年8月1日号)福岡市(2026-10-07 確認)
  18. 福岡市立霊園条例(第8条の2)福岡市(2026-10-07 確認)
  19. 那覇市民共同墓那覇市(2026-10-07 確認)
  20. 国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和2年度第3回)事案1 納骨堂の費用に関する紛争国民生活センター(2026-10-07 確認)
  21. 墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)国民生活センター(2026-10-07 確認)
  22. よくあるご質問(お墓はどのようなものがありますか)浄土宗(2026-10-07 確認)
  23. 永代供養(精選版 日本国語大辞典)コトバンク(小学館)(2026-10-07 確認)

制度や料金は変わることがあります。編集方針/誤りに気づいたらお知らせください。

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